2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Multidisciplinary computational anatomy and its application to highly intelligent diagnosis and therapy |
Project/Area Number |
26108008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 英津子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20345268)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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Keywords | 低侵襲治療 / 手術支援ロボット / コンピュータ外科 / 医用画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、大腸外科手術支援システム、膵臓に対するステープラー治療、口腔外科用ロボットを対象とし、主として(1)多元計算解剖モデルの実環境適用に有効な術中局所情報の取得、(2)手術支援ロボットの開発、を行った。 大腸外科手術支援システムにおいては、超音波プローブを体内に挿入し内視鏡下でスキャンすることで、術中の血管位置取得および形状再構築を行い、さらにこれと術前CTと統合することにより術者に詳細な血管位置情報を提示する手法を提案した。特に、高価な三次元位置計測装置を用いずに超音波プローブの位置姿勢を計測可能とするために、プローブにドットマーカを取り付け、三次元内視鏡画像による位置計測および三次元血管モデル構築をおこkなう手法を提案した。ファントムを用い超音波による血管構築精度評価を行った結果、10mmの血管に対し、9.2±0.2mmとなった。ブタによる血管構築実験を行った結果、部分的に血管の構築が可能であった。 膵臓ステープラー装置に関しては、圧縮速度がコントロール可能であり、圧縮時の組織へかかる力が計測可能なステープラー装置を開発した。またブタ摘出臓器を用い、膵液損傷の原因となる膵液漏の病理組織やMRIによる評価手法の検討を行った。 口腔外科用ロボットとしては、顎変形症に対する骨切り術を対象とし、駆動範囲制限機構を提案した。これは術前の患者個人の解剖情報を元に、危険部位への駆動を制限した駆動範囲モデルを三次元プリンタにより作成し、駆動範囲を機構的に制限するものである。開発したシステムに対し、駆動制限能力評価および位置決め精度評価を行った結果、誤差の最大値は1.7mmであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として、多元計算解剖モデルの実環境適用に有効な術中局所情報の取得および手術支援ロボットの開発を予定通り行い、基礎的評価を実施したため、概ね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)多元計算解剖モデルの実環境適用に有効な術中局所情報の取得:前年度に行った超音波と内視鏡による術中局所情報取得手法の精度検証および改良を行う。さらに新たな術中情報として、術具の患部への作用力計測等についても検討する。 (2)術中局所情報と起算解剖モデルの統合:A01,A02班から得られた知能化診断支援情報と(1)により得られた術中局所情報を統合し、手術支援ロボット制御に必要な患者固有の多元計算解剖情報の開発を目指す。特に前年度行った超音波等による術中情報と術前高精度解剖情報との統合による精度検証、および高精度統合手法について検討する。 (3)手術支援ロボットの制御法の開発:安全確実な治療を行うための適切な制御法の検討を進める。膵臓を対象とした力制御手法の開発等を行う。 (4)各開発要素の評価:上記個々の要素に対して、研究室内での定量的評価および動物を対象とした臨床に近い環境下での評価実験を行う。
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Research Products
(3 results)