2018 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical taxonomy of ncRNA
Project Area | Neo-taxonomy of noncoding RNAs |
Project/Area Number |
26113003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 勉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20292782)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | RNA修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではRNA修飾などRNAの化学特性に基づいたncRNAケミカルタクソノミを確立することを目的とする。 ヒトを含む哺乳動物のmRNAにおける主要なメチル化酵素の発見とその機能の解明に関する研究が、Science誌のResearch articleとして掲載された(Science, 2019)。修飾構造の発見から40年以上その機能が不明であったmRNAのメチル化修飾の生合成と機能を解明した画期的な研究成果であり、生命科学全体で大きなインパクトがあった。すでにNature姉妹紙を含むいくつかの総説で解析記事が掲載された。生物医学論文の中から注目論文を選出するFaculty of 1000より、インパクトの高い論文として選出された。またAltmetricによればこの論文は、全論文の中で上位3%以内にランクされている。 ヒトミトコンドリアにおいて、tRNA修飾の生合成を研究する過程で、細胞内の炭酸ガス濃度によって、tRNA修飾がダイナミックに変動する現象を捉えた。この知見はがん細胞が低酸素環境下でミトコンドリアの活性を低下させ、嫌気的解糖系を更新させるワールブルク効果の一端を説明するメカニズムである(Nature Commun.,2018)。また、細胞内のSAM濃度を感知して、ダイナミックに変動するrRNAのメチル化修飾を見出した(Nucleic Acid Res., 2019)。これらの現象は、細胞内メタボライト濃度を感知し、RNA修飾を変動させることにより、タンパク合成を調節する機構であると考えられる。 酢酸イオンを基質としてtRNAをアセチル化する新規酵素を同定した。この知見は、RNA修飾と代謝研究を結びつけるものであるとともに、遺伝暗号の正確な解読にtRNA修飾が重要な役割を担っていることを示す画期的な成果である(Nature Chem Biol.,2018)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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