2015 Fiscal Year Annual Research Report
| Project Area | Nascent-chain Biology |
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| Project/Area Number |
26116004
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| Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
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Principal Investigator |
田中 元雅 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (40321781)
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| Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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| Keywords | tRNA / リボソーム / 翻訳 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、様々な環境ストレス存在下での出芽酵母の翻訳阻害メカニズムの解明を目指し研究を行った。特に、tRNAの修飾に関わると考えられるオルガネラや遺伝子に関する欠損酵母株などを用いた解析を行い、それがもたらす翻訳阻害の表現型の検討を行った。その結果、酸化ストレスを誘発する薬剤が直接的にではなく、酸化ストレスによる細胞内シグナリングの変化によって、tRNAが特異的に修飾されることを見出した。特に、細胞膜やオルガネラ膜の不安定化がtRNA修飾へ関わることが示唆された。一方で、翻訳における揺らぎ仮説を実験的に検証するため、特定の遺伝子の翻訳過程に注目し、そのmRNAの翻訳のみを特異的に取り出して調べるための手法を様々な角度から検討した。昨年度に作成し、特定の遺伝子に改変を行ったプラスミドからタンパク質発現を確認し、その翻訳解析を行う準備進めた。
哺乳動物細胞に関しては、リボソームプロファイリング法の細かな部分を確立させ、神経細胞の異なる部位で、刺激前後での翻訳の違いを明らかにする実験系を培養神経細胞とマウス脳の両方で確立させた。さらに本年度は、様々な配列データの解析を行うためのバイオインフォマティックスのプラットフォームを構築した。また、神経細胞での翻訳解析を行うための蛍光イメージング手法を初代培養神経細胞などを用いて確立させ、リボソームプロファイリングとの相関を調べる実験系を構築してきた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出芽酵母におけるmRNA翻訳に関する様々な網羅的解析手法を確立させるとともに、それを用いて、環境ストレス存在下での出芽酵母の新たな翻訳阻害メカニズムを明らかにした。さらに、哺乳動物細胞を用いた網羅的翻訳解析の実験系もほぼ確立できたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに開発してきた翻訳解析手法をさらに発展させ、ストレス条件下でのtRNA修飾の制御による翻訳制御機構の分子メカニズムをさらに詳しく調べ、論文の受理を目指す。本年度は特に、mRNA翻訳における揺らぎ仮説の実験的検証に関する実験を重点的に進めて行く。同時に、様々な環境ストレス下の酵母を用いて、揺らぎ仮説に関するリボソームプロファイリングを行い、環境ストレスと揺らぎ仮説やtRNA修飾、tRNAコドン選択などの相関解明も目指す。そのために、現在進行中の翻訳解析手法を確立させ、これまでに不明な、mRNA翻訳における真のコドン使用率を明らかにすることを目指す。一方、神経細胞での翻訳解析についても、神経活動に依存した翻訳過程の詳細な解析をマウス個体および培養神経細胞を用いて引き続き調べ、本手法を精神・神経変性疾患研究にも応用していく。
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