2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of brain protein aging models; human iPS cell model and non-human primate model
Project Area | Prevention of brain protein aging and dementia |
Project/Area Number |
26117007
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (60160694)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 認知症 / タウタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、タウタンパク質における異常リン酸化についてさらに検討を行った。リン酸化タウ抗体を用いてウェスタンブロットを試みたところ、R406W変異型株由来神経細胞においては、タウのスレオニン181 (T181)のリン酸化レベルが低下していることが明らかになった。さらに、名古屋大学・貝淵研究室との共同研究により、R406W変異型タウはRhoキナーゼ、PKA、GSK3βなどのキナーゼによるリン酸化を受けにくくなっており、セリン409 (S409)におけるリン酸化レベルが低下していることを新しく同定した。以上の結果から、R406W変異型タウはWTタウと比べて低リン酸化状態にあることを見出した。 次に、変異型タウによる神経変性の徴候の有無を検討した。前年度において、変異型株由来神経細胞では軸索変性が起きていることを明らかにした。今年度では、軸索で見られる表現型の追求を行った。βIII-tubulinやタウ抗体の染色を行った結果、変異型株由来神経細胞の軸索が細切れになり、正常株由来神経細胞と比べ、粒状構造体 (puncta)が有意に増えたことを見出した。しかし、微小管の安定化剤を投与することで表現型がレスキューされることから、ここで見られる軸索の構造異常は、変異型タウの微小管の安定化の作用の異常が原因で起こっていることが考えられる。さらに、軸索のミトコンドリア輸送能を検討したところ、変異型神経細胞においてミトコンドリアの逆行性の輸送が増えており、その結果、軸索におけるミトコンドリアの数が低下していることが示された。輸送能に関しても、微小管の安定化剤の投与で正常に戻ることから、変異型神経細胞で見られる軸索の異常は、R406W変異型タウと微小管の異常な作用を介して起こっていることが示唆された。 これまでの結果をまとめ、国際学術誌への投稿を完了した。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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