2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Cognitive Interaction Design: A Model-Based Understanding of Communication and its Application to Artifact Design |
Project/Area Number |
26118002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 一博 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60262101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 勇剛 静岡大学, 情報学部, 教授 (00333500)
峯松 信明 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (90273333)
大本 義正 京都大学, 情報学研究科, 助教 (90511775)
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Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 認知科学 / 人工知能 / ヒューマンインタフェース / コミュニケーション / 社会系心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の3つを実施した. 【研究1】コミュニケーション場の成立に関わる他者の情動状態推定:別室にいて目視できない人の位置を同室にいるロボットの位置に対応させた実験環境を2部屋用意し,一方の部屋の参加者が別の部屋の参加者とロボットを介してインタラクションを行う過程を観察した.その結果,ロボットが記録された動きだけを行っている場合と比べて,ロボットが逃げて参加者が追いかけるという関係性が生じやすく,参加者とロボットの間で「追う―逃げる」の役割交代が生じる場合が観察された.これは,インタラクションにおける随伴性が関係性の構築に影響することを示唆する. 【研究2】コミュニケーションを通した他者の価値選好推定 【研究2-1】対面販売状況における顧客の意図推定を可能にする他者モデルの分析:旅行代理店の顧客が販売員に対面で旅行相談を行うという実場面に近い状況での実験を実施し,顧客の表出するどのような非言語情報からその顧客の潜在的な欲求を推定できるのか分析した.特に,販売員のランク(キャリアと実績)の高低による違いを分析した結果,高ランク販売員のほうが顧客の魅力度を適切に予測できており,かつ魅力度を予測する手がかりとなる顧客の非言語情報をより高い頻度で表出させていることがわかった. 【研究2-2】非母語コミュニケーションを対象とした訛りに起因するミス・コミュニケーションの分析と訛りに対する選好度の自動計測:外国語を話してインタラクションする場合,外国語訛りに起因するコミュニケーションエラーが頻発する.本研究では先行研究にて構築した,日本語学習者が日本人にとって聞き取り易い発声を学ぶ教育インフラを拡張し,諸外国での講習会を通して世界的普及を行ない,80名の中国人学習者を対象にその効果を実験的に検証した.また,聞き取り難い音声を聞いた時の嫌悪感・選好度を,簡易脳波計等を通して計測する予備実験を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究項目1,2-1,2-2のいずれにおいても,当初予定していた実験を順調に実施し,分析も進んでいる.研究成果の発表も順調に行われている.そのため,上記のように判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
以下を実施する予定である. 【研究1】コミュニケーション場の成立に関わる他者の情動状態推定:相手に対する情動的な内部状態に基づく主体感の距離と位置関係の動的な変化を伴う原初的なインタラクションに注目し,各個体のコミュニケーション場の成立欲求を推定するための認知モデルを構築する.インタラクションの主体のアピアランスや,言語等のシンボリックな情報を排除し,可能な限りミニマムなインタラクションを行える実験環境で既に得られているデータから,インタラクションにおける役割交代が生じるきっかけやタイミングを特定し,それが他者認知に与える影響についてさらに実験的に検討する. 【研究2】コミュニケーションを通した他者の価値選好推定 【研究2-1】対面販売状況における顧客の意図推定を可能にする他者モデルの分析:旅行代理店の販売員が客の要望を聞き出してプランを提案する際の対話を分析する.平成29年度は,特に,実験の結果得られたインタラクションの詳細なプロセスをHidden Markov Modelにより分析することで,隠れ状態の確率的遷移の観点から上手くいったインタラクションといかなかったインタラクションの違いを分析し,さらに実験を重ねてデータ数を増やすことで,結果の頑健性を担保する. 【研究2-2】非母語コミュニケーションを対象とした訛りに起因するミス・コミュニケーションの分析と訛りに対する選好度の自動計測:非母語話者とのコミュニケーションにおいて,母語の影響による訛りがコミュニケーションを阻害することがある.日本語音声教育インフラの構築に関しては,学習者音声に対する評価及び教示モジュールの構築を目指す.また,昨年の予備検討結果を踏まえて,歪んだ音声に対する嫌悪感・選好度を,訛り以外の様々な要因による音声の歪みも考慮し,計測可能な各種生理指標,タスク達成度,音響分析結果を用いて予測することを検討する.
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Research Products
(22 results)
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[Book] Occidente en Japon y Japon en Occidente2016
Author(s)
E. J. Eelgado-Algarra, W. F. Gadea, D. R. Perez, N. Mninematsu, H. Hirano, N. Nakamura, A. M. de Lara, R. C. Cuenca, M. Pardo, F. Infanto, M. Ishida
Total Pages
198 (89-108)
Publisher
Universidad de Huelva Publicaciones
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