2017 Fiscal Year Annual Research Report
子供=大人インタラクションの認知科学的分析とモデル化
Project Area | Cognitive Interaction Design: A Model-Based Understanding of Communication and its Application to Artifact Design |
Project/Area Number |
26118003
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
長井 隆行 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (40303010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 夏樹 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (20362585)
中村 友昭 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (50723623)
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
田中 一晶 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 助教 (70721877)
|
Project Period (FY) |
2014-07-10 – 2019-03-31
|
Keywords | 他者モデル / 子ども=大人インタラクション / リトミック / 模倣 / 集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では特に子どもと大人のインタラクションに着目し,他者モデルを基盤としたインタラクションの心的ダイナミクスを解明することを目指している.平成29年度は,計画に基づき以下の研究を行った. (1)リトミック実験の実施と解析:実際に3歳児クラスと4歳児クラスのリトミック場面における動きと位置の計測実験を28年度に引き続き2~3か月に一回行い,それらのデータを27年度に開発した解析手法で解析した.これにより,昨年度得られた月齢に依存した集団全体の活動パターンに関する知見をサポートする結果を得た. (2)新たなデータ解析手法の提案:上記の実験によって得られる加速度データを,相関に基づく従来の解析ではなく、非線形ダイナミクスに基づく新たな手法によって解析した. (3)基礎理論:現象解明,仮説の生成,モデル化を28年度に引き続き実施した.具体的には,深層学習に基づくモデルを発展させた.また,他者モデルは,センシングに基づく状況認識や他者の内部状態の推定が重要な要素である.29年度に引き続きこの推定技術の確立を目指し検討を進めた. (4)実応用の検討:28年度には,それまでに得られた知見の具体的なアプリケーションとして,ロボットやスマートハウスによる子育て支援の検討を開始した.29年度はこれをさらに推進し,具体的なアプリケーションの構築や実証実験・評価を行った.また,育児支援ベンチャーを起業するに至った. (5)ロボットによる介入の検討:リトミックの計測・分析・モデル化を進めてきたが,モデルの評価に際しては受動的な観察に留まらず,子どもの持つ他者モデルを実装したロボットを子どもたちのインタラクションの場に投入するという介入手段を用いることが有効である.この点について実際にルンバ型のロボットによる介入を検討し,その可能性を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の計画は,(1)データ解析手法の提案,(2)実験の実施と評価,(3)基礎理論であった.これらそれぞれに対して,研究実績の概要で述べた通り,概ね順調に進行している.また,実験の実施なども含めて定期的にチームでのミーティングを行い,研究に関する議論を深めると共に,問題意識やプロジェクト進捗に関する情報の共有をしっかりと行っている.また本年度は,応用に関する企業との共同研究が進展し,本プロジェクトで培った技術を育児支援に応用すべく,ベンチャーの起業にも繋がった. 以上のことから,当初の研究目的に対して順調に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究に関しては,計画通り問題なく進んでいるため,この流れを継続して研究を進める.特に定期的に行うミーティングでの議論は,プロジェクトメンバーだけでなく,実験に協力してもらっている幼児教育の専門家にも参加してもらい議論を深めており,非常に有意義である.これを今後も継続していくことで,当初の計画以上に研究を推進できると考えている.また,企業との応用に関する共同研究を加速しつつ,立ち上げたベンチャーのさらなる進展を目指す.
|
-
[Journal Article] ChiCaRo: tele-presence robot for interacting with babies and toddlers2018
Author(s)
Abe, K., Shiomi, M., Pei, Y., Zhang, T., Ikeda, N., & Nagai, T.
-
Journal Title
Advanced Robotics
Volume: 32(4)
Pages: 176-190
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] カメレオン効果を用いたイタラクションにおけるロボットの最適模倣率の検証2017
Author(s)
米田 貴行, 小原 宗一郎, 西口 たまき, 小寺 祥平, 有本 翼, 篠原 由美子,久保 克弘, 吉崎 美紗, 田中 一晶, 西崎 友規子, 岡 夏樹
Organizer
2017年度情 報処理学会関西支部 支部大会
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-