高透明度Al_2O_3繊維強化Al_2O_3・MgO系光ウインドウ用複合材料の研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 00J09821
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 松村 功徳 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(DC1)
• Keywords: 複合材料 / 透明性 / 光散乱 / 評価手法 / 位相 / 光経路 / セラミックス / FDTD法

Research Abstract

Al_2O_3繊維強化Al_2O_3スピネル系セラミックスの作製に際して、複合材料中の複合化相界面やミクロな損傷によって材料中で光が散乱され、透明性が低下することが重要な問題であることがわかった。複合材料やセラミックスの透明性には光の「経路」や「位相」の変化が大きく関係していることが明らかになったが、透過率を用いた従来手法では経路や位相といった時間的な現象の評価は困難である。そこで、透明性を評価する手法として、ピコ秒パルスを用いた光経路変化の評価、干渉型透過波面測定法による位相分布の評価、波動光学有限要素法を用いた複合材料中での光散乱シミュレーション、の開発を行ってきた。以上の成果を利用して、透明性を要求される光ウインドウ用複合材料の透明性向上を目的として、材料中での光の散乱を考慮して総合的に透明性を評価できる手法を実現するために以下の実験と計算を行った。
(i)一方向連続繊維による位相変化の評価
一方向連続ガラス繊維(直径100〜200μm)をホットプレスによりPMMAマトリックスに複合化させたウインドウ用複合材料のモデル材料を作製した。繊維による光散乱の影響を調べるために、本研究で提案した干渉型透過波面測定法を用いて透過波面の測定を行った。その結果、単一の繊維による位相変化の影響を明らかにした。
(ii)一方向連続繊維分散複合材料中での光散乱シミュレーション
一方向連続繊維(直径1.6μm)がランダムに分散している複合材料をモデルとした光散乱シミュレーションを行った。その結果、多重散乱による光の経路と位相の変化を明らかにした。
(i)、(ii)の結果と現在までに得られている結果を整理し、時間パラメーターを利用した総合的な透明性評価手法の提案を行った。本研究の成果を利用することにより、セラミックス光ウインドウの透明性向上に不可欠な評価手法を実現することができた。

Research Products

• [Publications] K.Matsumura, Y.Kagawa: "Phase profiles of transmitted light through glass-particle-dispersed epoxy matrix composites"Philosophical Magazine B. 82. 1387-1400 (2002)
• [Publications] Y.Kagawa, Y.Imahashi, H.Iba, T.Naganuma, K.Matsumura: "Effect of electrical resistivity of Si-Ti-C-O fiber on electromagnetic wave penetration depth of short fiver-dispersed composites"Journal of Materials Science Letteres. 22. 159-161 (2003)
• [Publications] K.Matsumura, T.Naganuma, Y.Kagawa: "All oxide ceramic multilayer coating for high temperature thermal energy window"Advanced Engineering Materials. (印刷中).