1989 Fiscal Year Annual Research Report
キラー細胞によるT細胞レセプター非依存的腫瘍細胞の認識及び反応機構の解明
Project/Area Number |
01015009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西村 孝司 東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)
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Keywords | LAK / LFAー1 / LADー1 / cytotoxicity / monoclonal antibody |
Research Abstract |
ヌードマウス脾細胞から誘導されたLAK(NudeーLAK)細胞はThy1^+、CD2^+、LFAー1^+、T3^-、TCR^-の細胞であるにもかかわらず、各種腫瘍細胞に対して強いcytotoxicityを示した。この事実からLAK細胞はTCR非依存的に腫瘍を破壊し得ることが明確にされた。NudeーLAK細胞の非付着性腫瘍に対するcyーtotoxicityは抗LFAー1抗体によって阻害されたが、抗CD2抗体によっては阻害をうけなかった。従って、LAK活性発現においては、CD2よりもLFAー1分子の方がより重要であると考えられる。この事はマウス胎仔肝細胞から誘導されたLAK細胞が、Thy1^+、LFA-1^+、CD2^-、T3^-、TCR^-である事実からも裏付けられた。しかし、LAK細胞の付着性腫瘍に対するcytotoxicityは抗LFA-1、CD2抗体では阻害されず、本系においては未知なる接着分子が関与していると思われる。TCR非依存的な腫瘍破壊反応機構解明のために、種々の免疫方法でモノクローナル抗体作製を試みたが、現在までのところ、LAKの腫瘍認識レセプターに対する抗体の作製には成功していない。しかしながら、fibrosarcomaにてラットを過免疫してハイブリドーマを作製することによって、T細胞の細胞間接着に重要であると思われる新しい細胞間接着分子leukocyte adhesion moleculeー1(LADー1)に対するモノクローナル抗体(TN14MAb)の作製に成功した。TN14MAbはフォルボールエステル(PMA)で誘発されるT細胞凝集反応を強く阻害した。従来、本現象はLFAー1ーICAMー1依存的反応として報告されてきたが、LAKー1はLFAー1、ICAMー1のいずれとも異なる性状を示した。さらに、TN14MAbはCTL、LAK、NK、のcytotoxicityを阻害し得ることも明確にされ、LADー1分子は、LFAー1、ICAMー1、CD2、LFAー3と共に、抗腫瘍活性発現に重要な分子であることが明らかとなった。現在、この新しい細胞間接着分子LADー1の性状をさらに明確にさせるために、CーDNAのクローニングを試みている。またLADー1分子を精製し、この分子がLFAー1のリガンドであるか否かについても検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Naoko Sato: "Antiーidiotype antibody reactive with a target molecule for mouse lymphokineーactivated killer cells." Cellular Immunology. 121. 217-224 (1989)
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[Publications] Takashi Nishimura: "Inhibition of lymphokineーactivated killer cellーmediated cytotoxicity by phorbol ester." Journal of Immunology. 142. 2155-2161 (1989)