1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01015084
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
徳留 信寛 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (00037441)
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Keywords | HTLVーIキャリア / 成人T細胞白血病・リンパ腫 / コホート研究 / 症例対照研究 / 発病機構 |
Research Abstract |
〔目的〕 HTLVーIキャリアの自然史の究明と成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)のリスクの評価を目的としたHTLVーIキャリアの長期追跡研究、ATL・HAM(HTLVーI関連脊髄症)の発症要因究明のためにATL・HAM及び無症候性キャリアの症例対照研究(面接調査と家族歴調査)等を行っている。 〔対象と方法及び結果〕 1.HTLVーIキャリアの長期追跡研究 九州の4赤十字血液センターにおける40歳以上の抗HTLVーI抗体陽性者3,991例の名簿を用いて追跡研究を行った。暴露人口は男で4,402.5人年、女で5,591.2人年であり、平均観察期間は2.70年であった。研究対象者中26例の死亡が観察され、男では19例のうち3例、女では7例のうち2例がATLであった。ATLの粗死亡率とその95%信頼区間は男で68.1/10^5(12.8〜201.7)、女で35.8/10^5(3.4〜131.5)であった。 2.ATL・HAMの無症候性キャリアの症例対照研究(面接調査と家族歴調査) ATL・HAMの発症・予防要因(食生活、嗜好歴、薬物摂取、既往歴、職歴、受療状況等)を網羅した調査票を用い、ATL・HAMと無症候性キャリアを対象にした保健婦等による面接調査を行っている。対照群はケースに性・年齢・住所等をマッチさせて、1:2〜3の割合で無症候性キャリアの中から選んだ。これまでにATL60例、HAM56例、各々の対照群94例、99例の調査を終えた。ATLとHAMの宿主(遺伝性)要因を究明するために、ATL・HAMと無症候性HTLVーIキャリアの3群を対象にした家族歴(2親等以内の死因)調査を行っている。
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[Publications] Tokudome,S.et al.: "Incidence of adult T-cell leukemia/lymphoma among human T-lymphotropic virus type I carriers in Saga,Japan." Cancer Res.49. 226-228 (1989)
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[Publications] Shibasaki,H.et al.: "Prevalence of HTLV-I-associated myelopathy among HTLV-I carriers in Saga,Japan." Neuroepidemiol.8. 124-127 (1989)