1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01015086
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陣野 吉廣 長崎大学, 医学部, 助手 (20179097)
奥村 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)
辻 芳郎 長崎大学, 医学部, 教授 (30039812)
|
Keywords | 一過性骨髄異常増殖症 / 発生機構 / ダイソミー性ホモ接合性 / がん関連遺伝子 / 変異遺伝子の量的効果 / 染色体異型 / RFLP / 21番染色体の過剰 |
Research Abstract |
TAM細胞の核型分析:一過性骨髄異常増殖症(TAM)に罹患したダウン症患者(DS)16名、非ダウン症患者(NDS)3名計19名のTAM期の骨髄細胞(BM)、末梢血白血球(Leu)、及び寛解期のBM、Leu、皮膚線維芽細胞(SK)の核型を分析し、以下の結果を得た。(1)TAM期に増殖している細胞は全て21ーtrisomyか21ーtetrasomy細胞であるが、寛解期にはそれぞれtrisomy、disomy細胞に全て復帰した。この結果から(1)TAM発症には21番染色体の過剰が重要な役割を果していること、(2)21番染色体上にTAM発症に関与する遺伝子(TAM遺伝子)が存在することが示唆された。 TAM細胞の過剰染色体の起源:過剰21番染色体の起源を染色体異形により追求し、以下の結果を得た。(1)19例の患者のうち、両親の血液入手が可能であった11例のTAM細胞中の21番染色体は、両親の異形パターンをa、b、c、dとすると、全てaabパターンを示した。残りの8例中7例もaabパターン、1例はaaaパターンを示した。このパターンは、過剰21番染色体が1本の染色体が重複した結果であると考えられる。即ち、DS患者では親の第2成熟分裂時の染色体不分離が原因であり、NDSでは体細胞分裂時の不分離が原因である。結果は以下のことを示唆する。(1)trisomyTAM細胞中の遺伝子、特にTAM遺伝子はdisomicーhomozygousになっている。即ち、(2)TAM遺伝子はその量的効果によりTAMを発症する。 TAM遺伝子の座位と単離の可能性:21番染色体上の種々の遺伝子(FB68L、p21ー4U、pGSE9、pGSE8、pGSE3)のRFLPをマーカーにして、4例の両親からTAM患者へのRFLP伝達を追求し、それらのハプロタイプから成熟分裂時における染色体交叉部位同定を目指した。理論的には、TAM遺伝子は交叉部位より近位に位置すると思われる。しかし、調べた5種のプローブでは全例uninformativeだったので、更に他のプローブで検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Abe,K.,Kajii,P.,Niikawa,N.: "Disomic homozygosity in^<21-> tuisomic cells:a mechanism responsible for transient nuyeloproliferative syndrome." Human Genetics. 82. 313-316 (1989)