1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01015087
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中山 睿一 長崎大学, 医学部, 助教授 (60180428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上中 明子 大阪府立成人病センター研究所, 研究員
古川 鋼一 長崎大学, 医学部, 助手 (80211530)
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Keywords | 白血病 / マウス / 腫瘍特異抗原 / 固有抗原 / 拒絶抗原 / リポソーム |
Research Abstract |
1.固有抗原分子の本態 モノクローナル抗体(mAb)NU7ー99はマウス白血病B6RV2細胞表面上の固有抗原を認識し、この腫瘍以外のいかなる腫瘍とも、またいかなる正常細胞とも反応しない。NU7ー99mAb反応分子を精製しラットに免疫してモノクローナル抗体を得、B6RV2固有抗原分子の本態を解析した。 1)抗原の抽出はB6RV2をビオチン化NU7ー99mAbと反応させ、先條後NPー40で可溶化し、プロテインAセファロースカラムに吸着させ、溶出後、アビジンカラムにかけて抗原分画を得た。こうして得た抗原でラットを免疫し、その脾細胞を用いてハイブリドーマを作製し、UR49、UR330の2つのクローンを得た。 2)UR49、UR330エピトープは種々の白血病細胞で異なる程度に発現していた。正常では胸腺細胞に発現し、特にUR49は末梢T細胞にも発現し分化抗原としての性質を持つことがわかった。 3)UR49、UR330はB6RV2白血病細胞から92K、B6正常胸腺細胞から95Kのそれぞれ異なる分子を免疫沈降させた。B6RV2ではUR49、UR330ともにNU7ー99mAb反応エピトープと同様にxenotropic MulVgp70分子上に存在する。 これらの結果は、固有抗原は正常胸腺細胞に発現するxenotropic gp70分子の何らかの変異に由来することを示唆している。 2.リポソーム組込み細胞膜蛋白による抗腫瘍効果の増強 DMPC:DDPCリポソームは新たに開発したリポソームでBALBRVD細胞と混合すると細胞膜蛋白がリポソーム表面に移行する。これによる免疫はマイトマイシンC処理BALBRVDよりも強い傷害性T細胞を誘導し、腫瘍拒絶を引き起こす。このリポソームは腫瘍ワクチンとして有効であるだけでなく、アッセイの難しい拒絶抗原の解析に有効である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Udono,H.: "The roles of CD8^+ and CD4^+ cells in tumor rejection" Jpn.J.Cancer Res.80. 649-654 (1989)
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[Publications] Sunamoto,J.: "Liposome vaccine made by reconstituting a tumor surface antigenーpresenting protein into liposome" Proc.1st Japan International SAMPE Symposium. 1. 664-666 (1989)
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[Publications] Nakayama,E.(分担執筆): "Recent progress of life science technology in Japan" Academic Press(Ikawa,Y.,and Wada,A.,editors), 199-212 (1989)