1989 Fiscal Year Annual Research Report
MRIによる組織血流測定及び温熱時の非侵襲的温度測定
Project/Area Number |
01015111
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田中 敬正 関西医科大学, 医学部, 教授 (40131445)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 保友 姫路工業大学, 工学部, 教授 (90047613)
加藤 勤 関西医科大学, 医学部, 助手 (30204481)
長谷川 武夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (80077784)
|
Keywords | MRI / 組織血流量 / 温熱療法 / Phase refocusing |
Research Abstract |
研究目的:癌の温熱療法において非侵襲的に腫瘍及ぴ正常組織の温度分布を作成することは極めて大切である。これには組織血流を測定することがまず第一であり、MRIを用い、Phase refocusingの手法により血流測定を行った。 研究方法及び結果:MR装置は三洋電機社製0.15T永久磁石型を用い、Phase refocusingの手段としては、flow rephase(FR)法を用いた。1.Flow phantom実験:位相情報のみを取り出すために、FRとSE(Spin echo)での信号・強度の比(FR/SE比)を求め、速度との関係を解析したが、約0〜30cm/secの間で速度の増加とともにFR/SE比が増加し良好な相関関係がいずれの方法でも求められた。2.動物実験;雄の家兎を用い、家兎の左腎動脈にパルスドップラープロウベを装着した。読みだし勾配磁場方2及び位相エンコード方向とともに、流速をませば指数関数的にFR/SE比が大きくなった。腎動脈に装着したドップラープロウベから得られた周波数と腎皮質から得られたMRIのFR/SE比を比較したが、両者の間の相関係数は0.82であった。3.臨床応用;正常人8例と脾臓で血流増加がみられる肝硬変症18例を対象に水平断のFR像とSE像とを比較検討した。肝硬変症群で脾臓の信号増加の程度が正常群よりも著しく、肝硬変症群での脾臓の信号強度の増加率と正常肝での増加率との間には0.1%の危険率で有意差を認めた。この肝硬変症群での脾蔵の信号強度の増加率は、SE像との比画像で検討したが、画像化が可能であるほど著明であった。今回の検討によりphase refocusingの手法を用いて定性的ではあるが組織血流を測定しうることが判明した。また定量的にはdephase法を用いれば検討しうる可能性も示された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 加藤勤,田中敬正他: "Field echo法を用いたT_1強調画像の検討" 映像情報MEDICAL. 21. 202-203 (1989)
-
[Publications] 加藤勤,田中敬正他: "神経症状を認めない高齢者における頭部T_1強調FE像の検討" 映像情報MEDICAL. 21. 981-983 (1989)
-
[Publications] 加藤勤,田中敬正他: "MRIにおけるPhase Refocusing法の臨床応用 Phase Refocusing Techniqes in MRIーexperimental study and clinical applicationー" 日本磁気共鳴医学会雑誌. 9. 28-36 (1989)
-
[Publications] 加藤勤,田中敬正他: "Phase Refocusing法" 画像診断. 9. 936-941 (1989)
-
[Publications] 加藤勤,田中敬正他: "MRIにおけるPhase refocusig法の基礎的検討" 断層映像研究会雑誌. 16. 80-84 (1989)
-
[Publications] 吉田正徳,加藤勤,田中敬正他: "MRIにおけるPhase refocusing法を用いた組織血流量評価の試み(肝硬変症の脾血流量変化の検出)" 断層映像研究会雑誌. 16. 85-90 (1989)
-
[Publications] Y.Ohguchi,et al.: "Simulation Model of hyperthermia by RF capacitive heating" International Journal of Hyperthermia. (1990)
-
[Publications] Y.Ohguchi,et al.: "Study of temperature dependence of blood flow by computer simulations" International Journal of Hyperthermia. (1990)