1991 Fiscal Year Annual Research Report
デデリ洞窟発掘:シリア:アフリン地溝帯における古人類学的調査
Project/Area Number |
01041016
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Research Institution | The University Museum, The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤澤 威 東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (70013753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUMLEY Henry フランス国立自然史博物館, 教授
SEBASTIAN Pa ケンブリッジ大学, 非常勤講師
SULTAN Muhes ダマスカス大学, 文学部, 講師
ADL Abdul sa ダマスカス大学, 理学部, 教授
阿部 祥人 慶応義塾大学, 文学部, 助教授 (90175919)
大沼 克彦 国士館大学, イラク古代文化研究所, 助教授 (70152204)
南川 雅男 三菱化成, 生命科学研究所, 室長
百々 幸雄 札幌医科大学, 教授 (50000146)
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Keywords | ネアンデルタ-ル / 進化 / 中期旧石器 / 地溝帯 / シリア / アフリン / デデリエ |
Research Abstract |
最終年度の調査研究 平成元・2年度の野外活動で入手した標本・試料資料分析研究のためそのすべてをシリア政府より借用中である。今年度は、その標本・資料を各研究分担者のもとで研究・分析するとともに、一部標本について年代測定、人骨標本についてはそのすべてにつきレプリカ作成を実施した。各標本・資料の研究実績は下記の通りである。 1.人骨:担当者百々幸雄(札幌医科大学) 平成元・2年度の野外調査で100点以上の人骨片が発見され、その予備的研究でネアンデルタ-ル人骨が多数含まれていることが判明した。今年度はさらにすべての人骨片につき同定を試み、ネアンデルタ-ル人骨については他遺跡で発見されている標本との比較形態学的研究を通して、その時代的、地理的変異を検討し記載した。 2.旧石器:担当者赤澤威(東京大学);阿部祥人(慶応大学);大沼克彦(国士館大学) 平成元・2年度の野外調査で発見された約3000点のレバント・ムステリアン・タイプの石器について、形態学的記載とともに、他の標本との比較を通して当遺跡の中期旧石器文化の時代的・地理的変異を明らかにした。 3.土壌サンプル:担当者南川雅男(三菱化成生命科学研究所) 洞窟とその周辺で採取した土壌サンプルについて、アイソト-プ分析、粒度分析を行い、その結果をもって洞窟堆積物の成因、洞窟周辺の古地理・古環境を検討した。 4.年代測定:担当者赤澤威 発見された人骨および動物化石の一部を試料としてAMS年代測定を行い、人骨の生息年代を推定する。この結果により、人骨がネアンデルタ-ル人あるかどうかについて最終的結論を得る。東京大学・名古屋大学タンデム加速器による測定を依頼中である。 5.人骨レプリカ作成:担当百々幸雄 今回発見されたネアンデルタ-ル人骨はシリアでは初めての発見例であり、平成4年度にはシリア政府に返却することが義務づけられている。しかし、これだけ多数の資料の研究を今年度内に完結させることは困難である。そこで、すべての人骨について精巧なレプリカを作成し、その恒久的保全措置を講じた。
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[Publications] Takeru Akazawa: "Dietary patterns of Japanese hunter-fisher-gatherers:Stable nitrogen and carbon isotope analyses of human bones" In C.M.Aikens and S.N.Rhee (eds.)Pacific Northeast Asian in Prehistory. 87-98 (1991)
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[Publications] Takeru Akazawa: "The Middle Palaeolithic Occupation at Douara Cave:Site Catchment Analysis" Les Annales Archeologigue Arabes Syrienne. 36-37. 9-39 (1989)
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[Publications] Yukio Dodo: "Interobserber error in scorring nonmetric cranial traits" Journal of the Anthropological Society of Nippon. 98. 403-409 (1990)
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[Publications] Katsuhiko Ohunuma: "Significance of Layer B of the Amud Cave,Israel,in the levantine Levalloiso-Mousterian" In T.Akazawa et al (eds.) The Evolution and Dispersal of Modern Humans in Asia. (1992)
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[Publications] Sultan Muhesen: "The Transitional Lowe/Middle Palaeolithic in Syria" In T.Akazawa et al (eds.) The Evolution and Dispersal of Modern Humans in Asia. (1992)
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[Publications] T.Akazawa et al (eds.): "The Evolution and Dispersal of Modern Humans in Asia" Tokyo:Hokusensha, 1-650 (1992)
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[Publications] T.Akazawa et al (eds.): "Dederiyeh Cave,Syria" Tokyo:University of Tokyo Press, (1992)