1991 Fiscal Year Annual Research Report
社会・経済的諸条件の変化に対するアフリカ小農の反応
Project/Area Number |
01041082
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高梨 和紘 慶応義塾大学, 経済学部, 教授 (50051785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OMARI C.K. ダルエス, サラーム大学・人文社会学部, 教授
CHANDA R. ザンビア大学, 自然科学部, 上級講師
UDO R.K イバダン大学, 社学科学部, 教授
遠藤 匡俊 岩手大学, 教育学部, 助教授 (20183022)
半澤 和夫 日本大学, 農獣医学部, 講師 (60147676)
池谷 和信 北海道大学, 文学部, 助手 (10211723)
坂本 邦彦 尚美学園短期大学, 一般教育, 講師 (20215643)
吉田 昌夫 中部大学, 国際関係学部, 教授
島田 周平 立教大学, 文学部, 教授 (90170943)
矢内原 勝 作新学院大学, 経営学部, 教授 (40051057)
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Keywords | 小農 / 経済行動 / 経済的反応 / 危険分散 / 耕作形態 / インフォ-マル・セクタ- / 賃金労働者 / 労働移動 |
Research Abstract |
本年度は、西アフリカでは矢内原が前年度に引き続き,ナイジェリア,ザンビア両国において、日系企業な雇われている現地人労働者を対象に,出身地,家族構成,所得,送金額などをアンケ-ト調査し,その調査結果を分類、集計中である。島田は前年度に引続きエビヤ村で、出稼ぎや農業経営についてのアンケ-ト調査を実施し,同時に耕作経営形態の調査も実施した。遠藤は島田とともに計測器を用いて距離の測定を担当した。 他方東アフリカについては,坂本はタンザニア北部ムワンガ県のロ-カル・マ-ケットにおいて聴取調査を行い,農作物と魚との物々交換の実態を通じて,魚が交換財としての価値をもつことを明かにした。さらに魚の供給源であるニュンバ・ヤ・ムング湖が,複数のエスニック・グル-プによる共生社会であることをつきとめ,グル-プ間の役割分担を解明した。吉田はタンザニヤ北パレ山間農村の水利組織の実態と最近の変化を,農民からの聴取調査から明らかにしようと試み,これにより村行政の中で文化委員会が水利に責任を持つことを望む動きや、若年層労働力流出の問題等の実態が明らかになった。東アフリカのもう一つの調査地ザンビアのセントラル州ルアングワ県カウンガ地区では、半澤が出稼ぎ労働力の排力メカニズムおよび伝統的労働組織の実態を,この地区の経済活動をベ-スに解明しようとした。島田はマザブカ地区で出稼ぎや農業経営,牧畜経営に関して,アンケ-ト調査を行った。 以上に加え,西アフリカでは池谷はナイジェリア,フルベキャンプで,牛を家畜市へ販売することの意味を調査した。その結果牛牧畜活動を中心に据えた,多様な生業の組合せ、牛の増殖,夜間放牧,販売,屠殺の要素がフルベの乾季の生活を規定していることが判明した。以上が本年度の研究実績である。
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[Publications] 高梨 和紘: "東アフリカにおける労使関係" 日本労働研究雑誌. 1990 2/3合併号. 74-80 (1990)
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[Publications] 高梨 和紘: "タンザニア,キリマンジャロ州の工業基盤" 三田学会雑誌. 83. 19-36 (1991)
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[Publications] 矢内原 勝: "アフリカ経済・不振より脱出の可能性" 世界経済評論. 34巻3号. 26-32 (1990)
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[Publications] 矢内原 勝: "アフリカ経済の現状ー貧困・累積債務・構造調整ー" 世界経済評論. 35巻3号. 8-14 (1991)
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[Publications] 矢内原 勝: "ナイジェリアとザンビアの農業および都市・建設現場労働者の移動の可能性" 三田学会雑誌. 84巻特ーII. 8-15 (1991)
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[Publications] 矢内原 勝: "アフリカ経済停滞の要因" 世界経済評論. 36巻3号. 8-15 (1992)