1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01042003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 千佳子 京都大学, 保健診療所, 助手 (50198454)
蒋 左庶 第二軍医大学, 生物学科, 教授
朴 相大 ソウル国立大学, 自然科学部, 教授
MOHAMED Zgha チュニス大学病院, 医師
塚田 俊彦 京都大学, 医学部, 助手 (10207334)
八木 孝司 京都大学, 医学部, 助教授 (80182301)
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Keywords | 色素性乾皮性 / 皮膚がん / 中国 / 韓国 / チュニジア |
Research Abstract |
研究目的:色素性乾皮症は、常染色体劣性遺伝様式の疾患で、遺伝の多くが太陽光にさらされた皮膚に疾患名が示すような着色と乾皮症状を示し、放置すると皮膚がんを生ずるに至る高発がん性遺伝性病である。現在までにAーGの7相補性群とバリアント型の8型が知られている。研究代表者は本研究以前に北米、ヨ-ロッパと日本で、これらの遺伝的型の分布が異なること、それが臨床症状にも反映し、ていることなどを明らかにしてきた。そこで、本研究では、これまで患者の存在の報告はあったが、遺伝学的解析および細胞の修復特性の解析がほとんどなされていなかった日本以外のアジア民族、および患者数が多いとされているアラブ民族における色素性乾皮症の遺伝学的解析を目的とした。 研究経過と成果:中国については細胞を培養し、これまで日本以外に2例しかみつかっていなかった相補性F群の患者を1例見出した他、他の群を含め、日本の患者ときわめて似た遺伝子構成であることが明らかになった。 韓国は、神経症状を有する患者の文献調査は分担研究者によって進められ、これまでそのような例のないこと、1例不確実な記載があるが、患者の追跡ができないことなどがわかった。 チュニジアでは、これまでに約200例の色素性乾皮症患者がみつかり、内約150例について分担研究者が臨床資料をまとめている。人口比を考えると日本の10倍以上の頻度と推定される。その理由の第一に高い近親婚率があげられる。遺伝的解析では、A群とC群に集中し、かつて報告されたエジプトと似ているが、日本、欧米とかなり異なる(D、F群の不在)ことが明らかになった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Wang,S.,Nishigori,C.Yagi,T.and Takebe,H.: "Reduced DNA repair in Progeria cells and Effects of gamma-ray irradiation on UV-induced unscheduled DNA syntheis in normal and progeria cells" Mutation Research. 256. 59-66 (1991)
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[Publications] Yagi,T.,Tatsumi-Miyajima,J.,Sato,M.,Kreamer,K.H.and Takebe H.: "Analysis of point mutations in an ultrabiolet-irradiated shuttle vector plasmid propagated in cells from Japanese xerodrma pigmentosum patient in complementation groups A and F" Cancer Research. 51. 3177-3182 (1991)
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[Publications] Sato,M.,Nunoshiba,T.,Nishigori,C.,Yagi,T and Take*be H.: "Protective effects of sodium selenite on killing and mutation by N- methyl-N' nitro-nitrosoguanidine in E.coli" Mutation Research. 250. 73-77 (1991)
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[Publications] Nishigoti,C.,Moriwaki,S.,Yagi,T.and Takebe,H.: "Altered O^6-alkylguanine DNA alkyotransferase activity in cell strans originating from mouse skin tumors induced by UV irradiation" Cancer Research. 51. 2425-2429 (1991)
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[Publications] Moriwaki,S.,Yagi,T.,Nishigori,C.,Imamura,S.and Takebe H.: "Analysis of N-methyl-NOnitrosourea-induced mutations in a shuttle vector plasmid propagated in mouse O^6-metylguanine DNA methyltransferase-deficient cells in comparison with proficient cells" Cancer Research. 51. 6219-6223 (1991)
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[Publications] 武部 啓: "環境と遺伝" 「大学と科学」公開シンポジウム地球環境変動の科学・かけがえのない地球を守るために. 89-100 (1991)
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[Publications] 武部 啓: "がんはなぜできるか" 裳華房, 1-128 (1991)
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[Publications] 武部 啓(編): "ヒト培養細胞・染色体診断マニュアル" 講談社サイエンティフィク, 1-178 (1990)