1990 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア産熱帯動植物の生物活性成分の化学的研究
Project/Area Number |
01044123
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
林 雄二 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40046917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 英俊 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (90200732)
西沢 麦夫 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40137188)
松本 武 ダイセル化学工業株式会社, 綜合研究所, 主任研究員
徳山 孝 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70046944)
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Keywords | インドネシア産動植物成分 / サルノコシカケ科きのこ / ヒキ蛙 / 腫瘍プロモ-タ-抑制活性 / ラノスタジェンーケトカルボン酸 / ラノスタトリエンーケトカルボン酸 / 新型強心ステロイド |
Research Abstract |
西ジャワ及び中部スラウェシで採集したサルノコシカケ科のきのこGanoderma applanatumより、ラノスタジェン、ラノスタトリェン型のケトカルボン酸類の新成分を更にいくつかの単離、それらの構造を決定した。このことは、昨秋"香料・テルペン及び精油化学に関する討論会"において報告している。これまで予備的に行った生理活性テストで腫瘍プロモ-タ抑制活性が顕著なDaedalia flavidaの材料もあらたに採集した。その外、同活性の顕著な植物Maro,Anga等(現地名)の材料(葉、樹皮)を昨年に続いて相当量収集し,これらの活性成分の検索を行っている。採集材料の分類学的同定はまだ終わっていないので、化学的処理と平行して正確な分類を行っている。 インドネシア産ヒキ蛙のアルカロイドとして、私達は既にジャワ島ボゴ-ル、スマトラ島西部ソロックで採集した蛙皮から、含窒素大環状側鎖を持つ新しい強心アルカロイドを得ているが、生物分布上、特異な地理的条件にあるとされるスラウェシ島産のヒキ蛙の成分にも興味が持たれたので、昨年に続き、本年度はさらに多くの蛙皮をウルボンカにて収集した。帰国後、ただちに着手した成分の分離精製により、新型強心ステロイドを単離、構造を明らかにした。これらの新しい化学構造を、予期通り、スラウェシ島の生物の特殊性を裏付けることにもなったので、あわせて本年、日本化学会春季年会で発表する予定である。同地方の矢毒蛙の採集は、まだ目的を達していないが、今後も更に可能性を探ってゆく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Chairul,T.Tokuyama,Y.Hayashi,M.Nishizawa,H.Tokuda,S.M.Chairul: "Applanoxidic Acids A,B,C,and D,Biologically Active Components from Ganoderma applanatum." Phytochemistry,under Preparation. 30. (1991)
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[Publications] T.Tokuyama,Cairul,T.Nakayama,Y.Hayashi: "Melanobufotoxin,Novel Steroidal Alkaloids from Indonesian Toad,Bufo melanostictus." J.of Natural Products, under preparation. 54. (1991)
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[Publications] Chairui,T.Tokuyama M.Nishizawa,H.Tokuda Y.Hayashi: "Malonate Halfーesters of Homolanostanoid an AntiーTumor Promoyer,from an Asian Ganoderma Fungus." Phytochemistry. 29. 923-928 (1990)
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[Publications] Chairul,Y.Hayashi: "New Congeners of Norditerpenoid Dilactones from Podocarpus nagi." Phytochemistry,in press. 30. (1991)
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[Publications] M.Uemura,Y.Hayashi,et,al.: "Synthsis of (【.+ー.】)ーDihydroxyserrlatic Acid via(Arene) chromium Complexes." Tetrahedron Letters. 31. 2319-2322 (1990)
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[Publications] Chairui,Y Hayashi et,al.: "Isolation of a New Cycloartanoid Triterpene from Leave of Lansium domesticum." Tetrahedron Letters. 30. 5615-5618 (1989)