1991 Fiscal Year Annual Research Report
中国における動植物の遺伝的分化に関する日中共同研究
Project/Area Number |
01044149
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
森脇 和郎 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 教授 (50000229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
邵 啓全 中国科学院, 遺伝研究所, 教授
王 斌 中国科学院, 遺伝研究所, 副所長
平野 博之 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助手 (00192716)
前川 雅彦 北海道大学, 農学部, 助教授 (00142703)
田野 茂光 東京大学, 農学部, 教授 (80011881)
佐野 芳雄 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 助教授 (70109528)
YAKIMENKO L. ロシア科学院, 生物土壌研究所, 研究員
KORABLEV V. ロシア科学院, 生物土壌研究所, 研究員
易 豪雄 江西大学生物系, 教授
凌 定厚 中国科学院, 華南植物研究所, 研究員
金 玖蕾 中国科学院, 上海実験動物中心, 主任助理
何 新橋 中国科学院, 上海実験動物中心, 所長
王 成懐 蘭州生物製品研究所, 名誉所長
汪 松 中国科学院, 動物研究所, 部長
呉 政安 中国科学院, 発育生物研究所, 研究員
梁 承業 中国科学院, 華南植物研究所, 研究員
緒方 一夫 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助手 (40224092)
鈴木 仁 東京慈恵会医科大学, 医科学研究所, 助手 (40179239)
米川 博通 東京都臨床医学総合研究所, 実験動物部, 室長 (30142110)
土屋 公幸 宮崎医科大学, 動物実験施設, 助教授 (30155402)
宮下 信泉 国立遺伝学研究所, 生保センター, 助手 (10190779)
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Keywords | 中国大陸 / 野生マウス / ミトコンドリアDNA / リボソ-ムDNA / 遺伝変異 / 野生イネ / 進化 / 栽培化 |
Research Abstract |
(動物班)本年度は中国西南部雲南省石林、西北部和田、内蒙古との国境付近、長江の両岸等の広い地域から野生マウス個体を採集し、血清の採取、リンパ節の摘出、肝DNAの抽出、剥製標本の作製などを行なった。本年度は沿海州の研究者の参加を得て、ロシア領内の野生マウスの試料も分析する事が出来た。その結果、これまでの知見を確証するデ-タを得ることが出来たが、長江以南に分布するカスタネウス亜種のミトコンドリア遺伝子とリボソ-ム遺伝子がごく低い頻度ではあるが、長江以北にも分布することがわかった。特に沿海州においては、この傾向が著しく、日本本土におけるモロシヌス亜種とよく似た状況が観察された。一方、ミトコンドリアDNAのDル-プの分析結果は、中国の北半分に広く分布するムスクルス亜種の中に明らかに特異的な塩基配列を持つグル-プがあり、その分布は沿海州、中国東北部および日本本土である。Y染色体遺伝子Zfyの分析結果も同じ傾向を示した。これらの結果、ムスクルス亜種の成立ちについて新しい考え方が必要である。 (植物班)東郷産野生イネについて、異なる分集団からのサンプルを用いてDNAの抽出およびライボソ-マルRNA遺伝子の多型を調査した。また、核遺伝子のモチ遺伝子座に挿入されたレトロポゾンの一種であるSINEの有無を調査したところ、東郷産野生イネには栽培イネとは異なりレトロポゾンが挿入されていないことが判明した。このことは、東郷産野生イネの典型的多年生性質を保持していることを示している。今年度から、新たに細胞質変異の解析を開始し、中国産の数系統に変異が認められ、今後詳細な比較研究が可能となる見通しが得られた。東郷産野生イネの生態的諸形質の調査も江西大学グル-プが続行しており、調査結果を出版すべく準備中である。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] Tanaka,S.et al.: "Gene responsible for deficient activity of the β subunit of C8,the eighth component of complement,is located on mouse chromosome 4." immunogenetics. 33. 18-23 (1991)
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[Publications] Yamaguchi,M.et al.: "Molecular cloning and structural analysis of mouse gene and pseudogenes for proliferating cell nuclear antigen." Nuclei Acids Research. 19. 2403-2410 (1991)
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[Publications] Shiroishi,T.et al.: "Genetic control of sex-dependent meiotic recombination in the major histocompatibility complex of the mouse." The EMBO Journal. 10. 681-686 (1991)
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[Publications] Inaguma,Y.et al.: "Acquisition of two endogenous ecotropic murine leukemia viruses in distinct Asian wild mouse populations." Jour.Virology. 65. 1796-1802 (1991)
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[Publications] Kawashima,T.et al.: "A new haplotype of the β-globin gene complex,Hbb^<wl>,in Chinese wild mouse." Jpn.J.Genet.66. 491-500 (1991)
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[Publications] Koseki,H.et al.: "Dominant expression of a distinctive V14^+ T-cell antigen receptor α chain in mice." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 88. 7518-7522 (1991)
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[Publications] Hirano,H.Y.& Sano,Y.: "Molecular characterization of the waxy locus of rice (Oryza sativa)" Plant Cell Physiol.32. 989-997 (1991)
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[Publications] 平野 博之,佐野 芳雄: "イネのwx遺伝子" 植物細胞工学. 3. 39-46 (1991)
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[Publications] Sano,Y.: "Genetic comparisons on chromosome 6 between cultivated and wild rice." Japan.J.Breed.42. (1992)