1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01045009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
都筑 幹夫 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (70155430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEHRMEYER W. マールブルグ, フィリップス大学・生物学部, 教授
THAUER R.K. マールブルグ, フィリップス大学・生物学部, 教授
NULTSCH W. マールブルグ, フィリップス大学・生物学部, 教授
GALLAND P. マールブルグ, フィリップス大学・生物学部, 助教授
HORST Senger マールブルグ, フィリップス大学・生物学部, 教授
五十嵐 泰夫 東京大学, 農学部, 助手 (90114363)
大森 正之 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (80013580)
渡辺 正 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70092385)
加藤 栄 東京大学, 理学部, 教授 (50011515)
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Keywords | 光化学系I / 反応中心 / ラン藻 / Thermophile / RuBisCO / cAMP / GTP結合タンパク質 / 環境要因 |
Research Abstract |
渡辺は、平成3年8月3日から24日までマ-ルブルグにおいてSenger教授と、ラン藻光合成器官の光適応について共同研究を行い、(1)環境光のスペクトル分布、(2)光強度及び(3)CO_2濃度の変化に伴なう光化学系I/II反応中心のモル比変化を詳細に検討した。その結果(1)と(2)では系I/II比が1〜3の範囲で顕著に変動するが、(3)の影響はきわめて小さいことが明らかとなった。また、高等植物の葉緑体およびラン藻のチラコイド膜からの色素抽出、HPLC分析により系I反応中心あたり2分子検出されたクロロフィルa^1の機能に関して討論し、今後重要となるアプロ-チ、生体外におけるクロロフィルa^1二量体の作製とそのキャラクタリゼ-ションについて明確化することができた。 五十嵐は、高温性ラン藻Synechococcus aー1株からCO_2固定酵素であるRuBisCOを精製し、その熱安定性を示した。さらにこの遺伝子をクロ-ニングし、大腸菌内での発現に成功した。9月25日から10月6日まで渡独し、上の結果やその他極限環境の炭酸固定に関して、Thauer教授らの得た結果と比較し、相違点ならびに今後共同で解決すべき問題について討論した。 また、大森は、ラン藻細胞内にcAMPがかなり多く含まれていること、細胞の膜系に信号変換タンパク質であるGTP結合タンパク質が存在することを見い出した。さらに、光信号によって細胞内cAMPのレベルが急激に、かつ大きく変化することを明らかにし、ラン藻における光信号の伝達にcAMPが関与している可能性を指摘した。この結果に関し、11月18日から28日までマ-ルブルグにおいてSenger教授と討論し、今後の研究について話し合った。また、彼らの研究テ-マの一つであるプテリン系物質による光情報の受容機構とcAMPカスケ-ドとの関連についても議論した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Kobayashi: "Enrichment of bacteriochlorophyll g' in membrances of Heliobacterium chlorum by ether extraction:Unequinocal evidence for its presence in vivo." FEBS Letters. 284. 129-131 (1991)
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[Publications] E.J.vande Meent: "Identification of 8'-hydroxy chlorophyll a as a functional reaction center pigment in Heliobacteria." Biochim.Biophys.Acta. 1058. 356-362 (1991)
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[Publications] T.Yaguchi: "Purification of RuBisCO from the thermophilic cyanobacterium Synechococcus sp.strain a-1." J.Ferment.Bioceng.73. (1992)
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[Publications] M.Ishii: "Methionaquinone is a direct natural electron acceptor for the membrane-bound hydrogenase in Hydrogenobactor thermophilcs strain Tk-6" Agric.Biol.Chem.55. 3011-3016 (1991)
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[Publications] K.Ohmori: "Function of cAMP as a mat-forming factor in the cyanobacterium Spirulina platensis." Plant Cell Physiol. 33. 21-25 (1992)
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[Publications] M.Ohmori: "cAMP and cAMP-stimulated protein phosphorylation in zoospores of brown algae." J.Phycol.27. 540-543 (1991)
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[Publications] T.Watanabe(分担執筆): "Chlorophylls" CRC Press(米国), 1-1257 (1991)
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[Publications] 五十嵐 泰夫(分担執筆): "極限環境微生物ハンドブック:炭酸固定と利用" サイエンス・フォ-ラム社, 376-384 (1991)