1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01060003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 和雄 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70110517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂部 知平 高エネルギー物理学研究所放射光施設, 教授 (30022601)
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (60199172)
中山 和久 筑波大学, 生学科学系, 講師 (40192679)
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Keywords | レニン / プロレニン / 遺伝子工学 / プロテイン・エンジニアリング / 発生工学 / プロセッシング / トランスジェニック・マウス / 組織特異的発現 |
Research Abstract |
レニン前駆体(プロレニン)の細胞内プロセッシング a)<プロレニンのプロフラグメントがレニン分泌に及ぼす影響>___ー: AtTー20細胞とチャイニ-ズハムスタ-卵巣(CHO)細胞中で、天然型プロレニンとプロフラグメントを欠いた変異型の発現ベクタ-を発現させた。天然型プロレニンは主として、活性のないプロレニンとして分泌されたが、変異型は活性型レニンとして分泌された。後者の分泌量は前者に比べて著しく低かったが、両者の比活性にはほとんど差がなかった。これらのことは、完全な活性を有するレニンが、そのプロフラグメントが無くても細胞内で形成されるが、このプロフラグメントはレニンの分泌に重要な役割を演じていることを示唆している。 b)<レニンの分泌に及ぼす糖鎖の影響>___ー: 糖鎖を持つ腎臓型プロレニン(Renー1)と糖鎖を持たない顎下腺型プロレニン(Renー2)の発現ベクタ-をカエルの卵母細胞で発現させた。その結果、Renー1の大部分は主として細胞内にとどまり、レニンにプロセスされるが、Renー2は効率よく細胞外に分泌された。tunicamycin処理により糖鎖が付加されない腎臓型レニンは効率よく分泌された。また三つの糖鎖欠損変異型(NA005,NA075,NA575)の内,糖鎖完全欠損の変異体(NA575)のみ効率よく分泌された。これらの事は、糖鎖が分泌に重要な役割を演じていることを示している。 c)<プロレニン変換酵素(PCE)の基本構造、三次元モデル>___ー: ICRマウス顎下腺からプロレニン変換酵素(PCE)を単離し、その一次構造の一部を決定した。そのアミノ酸配列に基づいて、合成DNAプロ-ブを作成し、このプロ-ブを用いてマウス顎下腺cDNAライブラリ-から、PCEcDNAを単離し、その全塩基配列を決定した。この酵素はセリンプロテア-ゼで、EGF結合タンパク質のアミノ酸配列と非常によく似ていた。PCEの全アミノ酸配列に基づき、本酵素の三次元推定モデルを作製した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Takeshi Yamauchi,ea al.: "Siteーdirected mutagenesis of human prorenin.Substitution of three arginine residues in the propeptide with glutamine residues yeilds active prorenin" Journal of Biochemistry. 107. 27-30 (1990)
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[Publications] WonーSin Kim,et al.: "A processing enzyme for prorenin in mouse submandibular gland" Journal of Biological Chemistry. 265. 5930-5933 (1990)
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[Publications] Kiyotaka Hatsuzawa,ea al.: "Purification of mouse Ren2 prorenin produced in chinese hamster ovary cells" Journal of Biochemistry. 107. 854-857 (1990)
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[Publications] Akiyoshi Fukamizu,et al.: "Structure and expression of the human angiotensinogen geneーldentification of a unique and highly active promoter" Journal of Biological Chemistry. 265. 7576-7582 (1990)
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[Publications] Akiyoshi Fukamizu,et al.: "Expression of the human angiotensinogen gene in human cell lines" Journal of Cardiovascular Pharmacology. 16. S11-S13 (1990)
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[Publications] Min Seok Seo: "The human renin gene in transgenic mice" Journal of Cardiovascular Pharmacology. 16. S8-S10 (1990)
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[Publications] 村上 和雄,他: "遺伝子工学から蛋白質工学へ" 東京大学出版会, 130 (1990)
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[Publications] 堀 比斗志,他: "レニン「プロテイン・エンジニアリング」" 東京化学同人, 9 (1990)