1989 Fiscal Year Annual Research Report
ポーラロンなどの素励起の新しい凝縮状態と超伝導性光応答発現機構の研究
Project/Area Number |
01065001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞隅 泰三 東京大学, 教養学部, 教授 (20012304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 達美 中央大学, 理工学部, 教授 (80055061)
南 英俊 東京大学, 教養学部, 助手 (00190702)
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Keywords | 素励起 / ポーラロン / 励起子 / 凝縮状態 / 超伝導性潜在絶縁体 / 超伝導性光伝導 / 超伝導性光応答発現機構 / 超伝導オプトエレクトロニクス |
Research Abstract |
1)超高純度イオン性結晶の精製並びに特に新しい超伝導性光伝導物質の作製の研究:超高純度ハロゲン化銀AgC1_xBr_<1-x>結晶の0≦x≦0.45の領域の試料の作製を行うとともに、新しい超伝導性光伝導物質としてBiーLa(Ca)ーY(Sr)ーCuーO系を開発した。 2)極低温における高速、高分解能光物性測定装置による絶縁体での素励起の凝縮状態の研究:超高純度AgC1_xBr_<1-x>混晶で発光スペクトルの混晶率xー依存性を克明にしらべ、励起子ーフォノン相互作用から、混晶でのフォノンについて新しい知見をえた。 3)強磁場、高電場制御での絶縁体、半導体内担体、ポーラロン系の非線形応答とそのダイナミクスの研究:超高純度AgC1_xBr1_<-x>混晶内ポーラロンのサイクロトロン共鳴の実験を行い、有効質量と線幅の予期しない減少を観測した。また、これまでの物質に加えて亜酸化銅Cu_2O結晶についても強磁場、高電場内でのポーラロン系の非線形伝導の研究を行い、同様な反転分布状態の存在やそれらのダイナミクスについて考察を行った。 4)絶縁性酸化物でのポーラロンと励起子など素励起による超伝導性光伝導応答機構の研究:まず、超伝導性光伝導現象の異常な特色を明確にするために、それらの基本物質としてのCu_2O、Bi_2O_3単結晶についてのパルス光伝導の測定を行いそれらの温度依存性、励起波長依存性について綿密な実験を開始した。また、超伝導性光伝導セラミクスについても新しいBiーLa(Ca)ーY(Sr)ーCuーO系について組織的な研究を開始し、その組成の変化に伴う超伝導転移温度の変化と対応する光伝導出現温度の存在を確認した。 また、次年度以降に本格化する部分課題4)ー7)をふくむ本研究に備えて、教養学部4号館北側に新しく“素励起物理学研究棟"の建設を行うとともに、平成元年度設備備品の選定、購入、設置に努力した。その他、いくつかの超伝導性光伝導物質について、国有特許の国内および国外出願にともなう対応にも大いに努力した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroshi Shimada: "“Hall mobility of positive holes in Cu_2O"" J.Phys.Soc.Japan. 58. 1717-1724 (1989)
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[Publications] Hidetoshi Minami: "“Spectra of magneto-photoconductivity of Semimagnetic Semiconductor Cd_<0.8>Mn_<0.2>Te"" Solid State Commun.72. 31-35 (1989)
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[Publications] 眞隅泰三: "超伝導性光伝導物質及びその製造法" 公開特許広報 平1ー201058号. (1989)
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[Publications] 眞隅泰三: "超伝導性光伝導物質及びその製造法" 公開特許広報 平1ー201059号. (1989)
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[Publications] Tatsumi Kurosawa: "“Bunching of Carriers in Momentum Space under Crossed Magnetic and Intense Microwave fields in Semiconductors"" J.Phys.Soc.Japan. 58. 4104-4115 (1989)