1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01065005
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸本 忠三 大阪大学, 細胞工学センター, 教授 (10093402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
審良 静男 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (50192919)
菊谷 仁 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (80161412)
平野 俊夫 大阪大学, 医学部, 教授 (40136718)
|
Keywords | インターロイキン6(ILー6) / ILー6レセプター / シグナルトランスデューサー(gp130) / ILー6トランスゲニックマウス / NFーILー6 / FcεRII / NODマウス |
Research Abstract |
インターロイキン6(ILー6)遺伝子を移入したトランスゲニックマウスを作製し、ILー6の異常発現が形質細胞の異常増殖、メサンギウム腎炎の発症につながることを証明した。更に、ヒトの腎細胞癌やキャッスルマン氏病が、ILー6の異常発現によりひきおこされる可能性を示した。 1988年にILー6レセプター(ILー6R)をコードするcDNAをクローニングしたが、これを用いてILー6Rシステムは、ILー6を結合する分子量8万のリーガント結合鎖と信号を伝える分子量13万のシグナルトランスデューサー(P130)より構成されていることを証明した。ILー6かILー6Rに結合することにより、ILー6Rとgp130が会合し、信号はgp130を通して伝えられること、可溶性ILー6RとILー6がgp130に結合し信号を伝えうること等、ユニークな信号伝達のメカニズムが明らかになった。 ILー6の発現を調節する14bpパリンドローム構造を有するシスエレメントとこの14bpに結合する核蛋白(NFーILー6)を同定し、NFーILー6のクローニングに成功した。NFーILー6はロイシンジッパー構造をもちDNA結合ドメインは、C/EBPと高厚のホモロジーを有することが明らかとなった。興味あることは、ILー6の産生を誘導するNFーILー6がILー6によって誘導される急性期蛋白の発現を調節するシスエレメントにも結合することであり、この結果は急性期反応における正の調節ループの存在を示唆する。 アレルギーの制御に関しては可溶性Fcεレセプター(FcεRII)を作製し、これがIgEのFcεRIIのみならずFcεRIへの結合をも阻害しうる可能性を示した。 NODマウスにおいてEα遺伝子を移入することによりInsulitisの発生をブロックしうることを前に示したが、胸腺上皮移植実験によって胸腺上皮上に発現されるIーE抗原により自己β細胞と反応するTリンパ球が、negativeに選択されることが示された。
|
-
[Publications] Yukawa,K.,H.Kikutani,T.Kishimoto,et al.: "Strain-dependency of B and T lymphoma development in immunoglobulin heavy chain enhancer(Eμ)-myc transgenic mice." J.Exp.Med.170. 711-726 (1989)
-
[Publications] Suematsu,S.,S.Akira,T.Hirano,T.Kishimoto,et al.: "IgG_1 plasmacytosis in interleukin 6 transgenic mice." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86. 7547-7551 (1989)
-
[Publications] Taga,T.,T.Hirano,T.Kishimoto,et al.: "Interleukin-6 triggers the association of its receptor with a possible signal transducer,gp130." Cell. 58. 573-581 (1989)
-
[Publications] Kishimoto,T.: "The biology of interleukin 6." Blood. 74. 1-10 (1989)
-
[Publications] Yoshizaki,K.,T.Hirano,T.Kishimoto,et al.: "Pathogenic significance of interleukin 6(IL-6/BSF-2)in Castleman's disease." Blood. 74. 1360-1367 (1989)
-
[Publications] Uchibayashi,N.,H.Kikutani,T.Kishimoto,et al.: "Recombinant soluble Fcε receptor II(FcεRII/CD23)has IgE binding activity but not B cell growth promoting activity." J.Immunol.142. 3901-3908 (1989)
-
[Publications] Kishimoto,T.,and T.Hirano.: "Fundamental Immunology,Second Edition" Raven Press,New York, (1989)
-
[Publications] Hirano,T.,S.Akira,T.Kishimoto,et al.: "Regulation of the Acute Phase and Immune Responses:Interleukin-6" Annals of the New York Academy of Sciences, 583 (1989)