1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01102008
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小川 仁 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60014677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 道子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70107712)
仙波 克也 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (40033550)
古屋 健治 山梨大学, 教育学部, 教授 (20020323)
内山 武治 静岡大学, 教育学部, 教授 (70022176)
八野 正男 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80014819)
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Keywords | 幼児の発達 / 3歳児 / 3年保育 / 幼児指導の方法 |
Research Abstract |
1.発達調査;昭和63年度3歳入園児350人(追跡調査)、平成元年度入園3歳児350人、同4歳入園児350人を対象に発達調査を実施した。3歳入園児の入園後1ヶ月、6ヶ月の差は「友人関係」の項目に顕著であった。友人に働きかける、特定の友人を意識し一緒にいることを好む傾向が目立って増加した。入園年齢による差は、クラスやグル-プ等に対する帰属意識、友人関係の形成に表われ、情緒的、生活習慣的発達に大きな差は示さなかった。 2.教師の要求レベル;発達調査88項目に関する教師の要求水準を調査した。3歳児を担任する44人の教師の児童観は、個人差はあったが、大きく2群に分かれた。運動能力、生活技術等客観的評価が可能な側面の発達を重視する教師群と、生活経験や情緒的発達を重視する教師群で、前者は集団的統制への従属や自己規制力を発達の中で重視し、一方、後者は教師・友人に対する親密度、遊びを選択する自主性などを重視する傾向を示した。これら教師の要求水準の違いは、幼児に対する発達評価に反映する可能性があるが、両者の関係は現在分析中である。 3.保育の観察;3、4、5歳の保育を次の観点から1回2時間、各年齢クラス4回観察記録した。遊びの種類、遊び集団の人数、集団持続時間時系列による教師の保育活動である。結集の分析から(1)年齢の上昇に伴い遊びの集団の形成が明確化し、(2)集団の持続が長く、(3)集団メンバ-の入れ替わりが減少するのに対し、低年齢ほど(4)集団の凝集性が弱く、(5)集団内におけるメンバ-間の交渉が単発的で持続せず(6)遊び場面が比較的固定することが明らかになった。これに伴い、教師の活動が、低年齢では個々の幼児に比較的短い時間声をかける、一緒に遊ぶ、遊びを直接手伝うなど動線が細かく変化した。年齢が進む程、教師の活動は集団を対象に比較的間接的な声かけ、援助の割合が増し、示唆や遊び材料の提供等が中心になった。
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