1989 Fiscal Year Annual Research Report
博物館・美術館資料に関する情報交換のためのプロトコルの研究
Project/Area Number |
01102025
|
Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
林屋 晴三 東京国立博物館, 次長 (20000333)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 明雄 東京国立博物館, 資料部, 情報管理研究室長 (90150036)
|
Keywords | 博物館資料情報処理 / 美術館資料情報処理 / 有形文化財情報構造 / 美術品情報構造 / 博物館情報ネットワ-ク / 美術館情報ネットワ-ク / 美術史情報処理 |
Research Abstract |
1.本年度は研究期間3ケ年の第2年度にあたり、まず、次年度でプロトコル試案をまとめるための準備作業として、作成方法についての検討を行った。プロトコルの定義のしかたとしては、「最大公約数」的に最小限必要なデ-タについての枠組みを規定する方法と、「最小公倍数」的に、最大限の包括的な枠組みを規定する方法とが考えられる。ここで注意すべきなのは、デ-タ表現における構造と述語とが、言い換えると型と値とが、当該分野においては明確に分離されていない点である。したがって、本研究ではひとまず、最大公約数的なプロトコル本則と、最小公倍数的な背景として人間の認識の枠組みとの二重構造を前提とする方向で研究を進める。 2.上記に関連して、「博物館資料情報の機能分析」として、当該分野における人間の認識構造の詳細な分析を行った。その結果に基づいて博物館資料情報構造を機能的に再整理・再定義する作業は次年度に持ち越した。 3.よく比較・参照される図書館資料(図書資料)と博物館・美術館資料との差異を明らかにした。図書資料は制作者と整理者とが同一の世界観・価値観の中で活動している(Domestic)のに対し、博物館資料は一般に、時間的・空間的に遠く隔たった世界の産物(Alien)である。そうした対象の情報を処理する方法も、図書館では対象を理解せずに整理する方法で技術を開発してきたのに対し、博物館では対象理解を基本に据える方向をとってきた。 4.西洋美術史における19世紀以来の“美術品のカタロギング"の歴史を調査し、成文化されてはいないものの、情報構造に一定の普遍性があることを確認した。それに合せて、日本における“カタロギング"の歴史についても調査を実施した。
|