1989 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕ハイ・リスク児の検出基準とその対策に関する研究
Project/Area Number |
01102039
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
中尾 俊一 明海大学, 歯学部, 教授 (40049359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 俊夫 九州大学, 歯学部, 教授 (00028721)
飯塚 喜一 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授
小西 浩二 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40066973)
岡田 昭五郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30013858)
森本 基 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20050015)
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Keywords | う蝕ハイ・リスク児 / 学校歯科保健 / 検出基準 |
Research Abstract |
本研究の遂行においては、う蝕ハイ・リスク児をどのような基準で定義するかが基本的に重要な問題であった。平成元年度は、研究方針に基づき、う触ハイ・リスク児の考え方の統一について各研究者のデ-タ解析により検討がなされた。う蝕ハイ・リスク児とは、「う蝕の発病性が予測される状態にある者、あるいは既にう蝕が発生し、その進行がすみやかで数歯以上に波及していく状態が予測される者」を定義しうるとされた。 一方、小学校1年生から6年生までの歯科検診デ-タを利用した、各研究者の解析から、う蝕ハイ・リスク児と考えられる者の検出基準について、「う蝕が上顎前歯部唇側面に認められるか、または当該年齢の一人平均う歯数の2倍以上に及ぶう歯を有する者」とする基準が採択された。その結果、例えば6年生の時点で上記の基準に該当する者を抽出して、これらの対象者の1年生の時点での一人平均乳歯う歯数(dft)を算出する。次に、この1年生時点で、求められたdftの値より高い値を示す者の6年生時点での永久歯う蝕の状態をみると、明らかに永久歯う蝕が高い傾向を示した。また、1年生時点での乳犬歯、乳臼歯のdft9以上をハイ・リスク児として6年生時点でのDMFTを予測してもスクリ-ニングの有効性が示された。また一方で、小学校4年生から5年生頃に叢生や歯口清掃の因子に基づく修正が必要と考えられた。さらに、小学校1年生から6年生までのDMFTの増加をみると5歯以上増加する者は10〜20%であること、フッ素洗口校では小学校1年生でDMFTが3歯以上ある者がハイ・リスク児と考えられるというデ-タも存在し平成2年度研究の足場が築かれた。今後、さらにう蝕罹患の分布型の変化に着目しつつ、検出基準の確立と対策の検討について研究を推し進める予定である。
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