1990 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教師の教授能力に関する評価・測定法の開発研究
Project/Area Number |
01102050
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
人見 楠郎 昭和女子大学, 学長 (70054103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 裕 帝塚山学院, 院長 (50027950)
水谷 修 国立国語研究所, 所長 (60088789)
岡崎 敏雄 広島大学, 教育学部, 助教授 (00194340)
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Keywords | 教授能力 / 評価 / 自己評価 / 形成的評価 / 自己研修 / 自己研修システム |
Research Abstract |
初年度の調査研究では、教授活動の観察及び先行研究の分析によって日本語教授における評価・測定対象能力についての領域設定の可能性を検討した。これらを通じて、教育機関・教員によって教育目的、教育方法、教育理念等が多様であり、一般的な教授能力の評価・測定領域を設定することは、妥当性に欠けることが理解された。さらに、外国における先行研究をみても、ペ-パ-テスト、授業観察、インタビュ-等による他者からの総括的評価という考え方に加えて、教師が、自分自身の教授活動の評価や指導者、同僚教師、学習者からの評価をいかに教育の改善に結びつけるかという自己評価・形成的評価の意義が強調されていることが理解された。 本年度の調査研究では、初年度の結果を踏まえ、他者の視点を含めた自己評価・自己研修システムを開発することがより妥当であるとの合意に達し、これに向けて、さらに実際の教授活動の観察及びその分析を行うとともに、すでに何らかの方法で行っている自己評価、他者評価、あるいはそれらの中間的な評価の実際について調査、分析し、併せて研究分担者及び協力者の教授行動を録画し、自己評価の試行を行った。これらを通じて、自己表価を行うためには、自分自身の教授活動を客観化、相対化し、自分が下した評価の内容や方法そのものを評価する能力(「メタ評価能力」と仮称する。)を養成することが大切であるとの認識が得られた。 こうして年度末までに、他者の視点も統合した教授者自らのメタ評価能力を高めることを目的とした「自己評価・自己研修システム案」の試作がいくつか提出され、そのうちの一部をタスクブックを用いたワ-クショップ形式で現場の教師集団に公開し、その妥当性、実用性を検証する機会をもつことができた。来年度は、この試行で得られた知見をもとに、システムの内容・方法さらに改良を加え、成果物の形にまとめたいと考えている。
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