1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01300003
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
玉井 哲雄 千葉大学, 工学部, 助教授 (80114297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 和子 生活史研究所, 代表
川本 重雄 北海道工業大学, 工学部, 助教授 (40175295)
藤井 恵介 東京大学, 工学部, 助手 (50156816)
高橋 康夫 京都大学, 工学部, 助教授 (60026284)
黒田 日出男 東京大学, 史料編贊所, 教授 (90013284)
|
Keywords | 絵巻物 / 絵画史料 / 生活文化 / 都市 / 住居 / 一遍聖絵 / 年中行事絵巻 |
Research Abstract |
初年度であったので、まず資料収集および研究システムの開発を中心とする基礎的研究を行った。 資料収集については 1.すでに公刊されている絵巻物類、および既存の研究を、中世史、都市史、住宅史、家具史、生活史、寺院神社建築史の立場から重要なものについてリストアップした。 2.東京国立博物館所蔵の絵巻物模本の中でも、特に重要と考えた「一遍聖絵」「年中行事絵巻」についての調査、および写真撮影を行った。その結果、江戸時代の模写ではあるが、現在では失われている原本の緑や色を伝えている可能性が高いことが判明した。今後さらに他の絵巻物模本の調査撮影を計画している。 3.絵巻物周辺のいくつかの絵画史料の写真撮影、および写真撮影が行われている「洛中洛外図屏風」などについては写真の焼付け収集を行った。これらは、絵画史料の内容を検討するのに大変有効と考えられる。 研究システムの開発については 1.パ-ソナル・コンピュ-タ-を使って絵画史料が整理できるデ-タベ-ス・システムの基礎的な体制を作った。これによって絵巻物の場面の分析、描かれた事物に名前を付ける作業が容易になった。 2.絵画史料を分析するために有効に用いることのできる全国の重要文化財建造物のデ-タベ-ス、およびいくつかの地域の地名に関するデ-タベ-スを研究に使える形に整備した。 以上の基礎作業を行うと同時に研究組織のメンバ-が数回にわたって集まって研究会を行い、絵巻物に描かれた寝殿造、武家屋敷、庶民住居などについては研究報告を行っており、研究の問題点が明確になりつつある。
|
-
[Publications] 高橋康夫: "中世都市空間の様相と特質" 日本都市史入門. 1. 1-16 (1989)
-
[Publications] 伊藤毅: "中世都市と寺院" 日本都市史入門. 1. 17-42 (1989)
-
[Publications] 玉井哲雄: "都市史における都市空間研究" 日本都市史入門. 1. 131-150 (1989)
-
[Publications] 藤井恵介: "黒く塗られた健築-上杉本洛中洛外図屏風にみる禅宗寺院の彩色-" 日本健築学会大会学術講演梗概集. 九州. 731-732 (1989)
-
[Publications] 川本重雄: "平安時代の対座形式" 日本建築学会大会学術講演梗概集. 九州. 723-724 (1989)
-
[Publications] 保立道久: "町の中世的展開と支配" 日本都市史入門. 2. 1-19 (1989)
-
[Publications] 黒田日出男: "「絵巻」子どもの登場" 河出書房新社, 126 (1989)
-
[Publications] 小泉和子: "道具が語る生活史" 朝日新聞社, 342 (1989)