1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01301023
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
石川 淳志 法政大学, 社会学部, 教授 (00061101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 茂 成蹊大学, 法学部, 教授 (70054286)
濱谷 正晴 一橋大学, 社会学部, 教授 (60017639)
橋本 和孝 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (90198672)
木本 喜美子 一橋大学, 社会学部, 助教授 (50127651)
吉原 直樹 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (20140113)
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Keywords | 社会調査史 / 社会調査論 / 社会調査法 / 社会踏査 / モノグラフ / 社会問題 / 社会学史 |
Research Abstract |
我々は、〈社会調査史研究〉という新しい学問上のフロンティアの開拓をめざし、社会調査をー人間の社会に対するすぐれて能動的な働きかけ(科学的・思想的な営み)としてー歴史的に再構成する視点と方法の発見に努めてきた。とりわけ第2年度は、当初の研究実施計画に記したとおり、〔I〕社会調査の発展のうえで歴史的な段階を画した内外の社会調査家(調査集団)とその作品ー具体的には(1)C.ブ-スの貧困調査、(2)M.ウェ-バ-の工場労働調査、(3)シカゴ学派による都市調査、(4)R.S.リンドのミドルタウン調査、(5)横山源之助の社会観察、(6)島崎稔の社会(農村・都市)調査ーに着目して、それぞれの調査過程を調査家の内面的な形成史と当該の時代の社会史的・文化的位相との関連のなかに位置づけて立体的に解明・再構成すると同時に、〔II〕戦後日本における社会調査の展開過程を、その主要な対象(問題)領域ー具体的には(1)都市調査、(2)農村調査、(3)労働(者)調査、(4)生活(史)調査、(5)公害・環境問題調査、(6)原爆被害者問題調査ーの諸動向に即してフォロ-し、調査の主体・主題の変遷と方法の展開との関係を析出・再構成すること、に全力を注いできた。 その結果、2年間にわたった総合研究の成果を、『社会調査の歴史と開拓者群像(仮題)』および『社会調査と社会的現実ー戦後日本の社会調査ー』という2冊の書物にまとめあげるメドを樹ち立てることができた。この研究成果の刊行(1991年末を予定)は、いまなお未踏・未確立の段階にある〈社会調査史研究〉の活性化を促すものと確信している。これを踏まえて、我々はひきつづき、(1)内外の社会調査史研究の到達点と課題の把握、(2)近代日本の社会調査史の豊富化、(3)戦後日本の代表的な調査の「再調査」を重点にすえた第2期の研究計画の遂行にむかって持続性ある共同研究を進めていくことにした。
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[Publications] 川合 隆男: "日本社会学の最近の動向と反省" 慶應義塾大学・法学研究. 63ー2. 1-42 (1990)
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[Publications] 石川 淳志・安原 茂編: "社会調査の歴史と開拓者群像(仮題)" 法政大学出版局, (1991)
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[Publications] 石川 淳志・安原 茂編: "社会調査と社会的現実ー戦後日本の社会調査ー" 法政大学出版局, (1991)