1989 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ・テクノロジ-をめぐる法的諸問題の比較法的・総合的研究
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01301068
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鎌田 薫 早稲田大学, 法学部, 教授 (50063805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 恒雄 大阪市立大学, 法学部, 教授 (20127715)
新美 育文 明治大学, 法学部, 教授 (80022432)
円谷 峻 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (60018059)
木村 利人 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (80195388)
浦川 道太郎 早稲田大学, 法学部, 教授 (90063792)
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Keywords | バイオ・テクノロジ- / 遺伝子組替え / 財産的情報 / 人工授精 / 共同研究 / 共同開発 / 研究・開発規制 |
Research Abstract |
1.研究・開発規制の現状と問題点の検討 西ドイツにおける遺伝子工学法案の分析を行い、わが国法制への示唆を得た。その他の諸国およびわが国の現状については調査を続行している。 2.遺伝子組替え体の環境放出をめぐる問題点の検討 EC指令案等欧米における立法化の動向につき調査し、その一部につき中央公害対策審議会企画部会バイオテクノロジ-専門委員会において発表した。わが国における規制のあり方について引続き検討する。 3.人の細胞および遺伝子の操作に関する問題点の検討 西ドイツにおける連邦参議院法案の提出を受け、同法案に至る経緯を分析し、わが国の規制のあり方について示唆を得た。また、米国におけるヒトの細胞および組織の所有権を争う裁判例を参考にして、検討を行なった。来年度は、フランスにおける規制の現状等を分析・検討する。 4.知的財産権に関する問題点の検討 今年度は特に財産的情報(Trade Secret)の保護のあり方について検討し、その成果の一部は産業構造審議会財産的情報部会の審議および報告書にとりいれられている。また、植物バイオに関連して、特許法と種苗法との二重保護をめぐる論点の整理を行った。引続き来年度も検討を継続する。 5.共同開発契約をめぐる問題点の検討 「産官学共同開発の現状と問題点」を統一テ-マとし、産業界および通産省・厚生省等の関係省庁からのヒアリングを行なって問題点を析出するとともに、民間企業相互間の共同開発契約のあり方、試験研究委託契約に関する解釈論上の問題点を検討した。引続き次年度も検討を継続する。
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[Publications] 石田佳治: "新しい植物の発明者の知的所有権" Lau and Techology. 2. 44-47 (1989)
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[Publications] 石田佳治: "新しい微生物の発明者の知的所有権" Lau and Techology. 3. 39-42 (1989)
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[Publications] 岩志和一郎: "西ドイツにおける人の胚の取扱い" Lau & Techology. 6. 14-20 (1990)
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[Publications] 浦川道太郎: "西ドイツにおける「遺伝子工学法」制定の動き" Lau & Techology. 4. 14-22 (1989)
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[Publications] 鎌田薫ほか: "日本ウァイスVS.日本ケミファ事件判決の検討" Lau & Techology. 3. 43-61 (1989)
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[Publications] 鎌田薫: "「財産的情報」の保護と差止請求権" Lau & Techology. 7. (1990)
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[Publications] 円谷峻: "研究開発における秘密保持契約について(2)" Lau & Techology. 5. (1989)
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[Publications] 円谷峻: "研究開発における秘密保持契約について(3)完" Lau & Techology. 6. 21-33 (1990)
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[Publications] 中津晴弘: "DNA配列の著作権性について(1)" Lau & Techology. 2. 23-31 (1989)
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[Publications] 中津晴弘: "DNA配列の著作権性について(2)完" Lau & Techology. 3. 13-19 (1989)
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[Publications] 松本恒雄: "トレ-ド・シ-クレットの保護" 税務弘報. 37-3. 161 (1989)
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[Publications] 松本恒雄: "欧米のトレ-ド・シ-クレット法制と日本法の状況" Lau & Techology. 7. (1990)