1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01301071
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
阿部 齊 放送大学, 教養学部, 教授 (30054315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半沢 孝磨 東京都立大学, 法学部, 教授 (80086967)
田中 治男 成蹊大学, 法学部, 教授 (50014436)
小山 勉 九州大学, 法学部, 教授 (40018817)
五十嵐 武 東京大学, 法学部, 教授 (60009818)
有賀 弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50013008)
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Keywords | フランス革命 / アメリカ革命 / 国家形成 / 近代国家 / 官僚制 / 常備軍 / 教育制度 / 議会 |
Research Abstract |
本プロジェクト発足の年である平成元年度の共同研究は、なるべく多数の研究集会を開催することを中心にして進められた。実際にはすでに昨年度から開始されていた本研究会は本年度も、研究費が交付された夏からほぼ毎月定期的に行われた。研究会の内容は、1)研究分担者自身による中間報告、2)外部の専門家による専門的知識の提供(レクチャ-)、3)最近刊行された重要な研究成果についての書評、などであった。また、今年度の研究成果を総括する意味で、2月には東京で2日間にわたる長時間の研究集会も開催した。これまで取り上げられ集中的に討論された研究テ-マは、「革命の一般理論」「米仏革命と国家形成についての比較研究」「フランス革命思想と国家形成」「アメリカ革命と地方行刑制度の変容」「フランス革命と地方制度の再編」などである。このような作業を通じて、すでに多量の研究が蓄積されている革命そのものについてでは必ずしもなく、革命が国家形成に与えた影響について理論的に考察するという本共同研究の困難な課題に対して、相当程度研究分担者一同の知見が深まったといえる。とくに、ともに紛れもない「近代国家」でありながら、分権的なアメリカと集権的なフランスというきわめて対照的な二国家を取り上げる理論的意義は、きわめて大きいという点について、参加者全員の認識を共有できるようになったのは、大きな成果であった。研究代表者・分担者は各自で資料収集・整理・分析も進めており、すでに中間報告的な初稿はいくつか執筆されつつある。今年度の成果を出発点にすれば、来年度末には非常に水準の高い研究成果が生み出されるものと確信している。
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