1991 Fiscal Year Annual Research Report
華中通貨金融工作の史的展開-1937年〜1945年-
Project/Area Number |
01301081
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
小林 英夫 駒沢大学, 経済学部, 教授 (80052546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古厩 忠夫 新潟大学, 人文学部, 教授 (30018642)
高村 直助 東京大学, 文学部, 教授 (40017801)
大豆生田 稔 東洋大学, 文学部, 教授 (20175251)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 教授 (40101620)
中村 政則 一橋大学, 経済学部, 教授 (30017529)
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Keywords | 軍配組合 / 軍票 / 通貨工作 / 戦時経済 / 物資動員 |
Research Abstract |
本年度は、本プロジェクトの最後の年度に該当したので、それまでやり残した作業を完成させると同時に、目録の作成、主要文書の整理とコピ-化に全力を傾注した。そのため1991年7月から9月にかけて一橋大学図書館で軍配組合資料の集中複写作業をおこなった。当初は7〜8月末で完成させる予定だったが、予想したほどにコピ-作業が進まなかったため、9月末まで延期し、アルバイト学生を使うかたちで作業の進行をはかり、9月末までに合計15.000枚ほどのコピ-を完了し、軍配組合資料は無事一橋大学図書館の書庫に返還された。資料は箱詰めとし、箱ごと目録を作成し、箱の中が透けて見える状況で保管されている。また軍配組合に関連 する雑誌類についても同様に整理し目録を作成し一橋大学に返還した。これらの雑誌類は、軍配資料同様日本においては他で見ることができない貴重なものであった。1991年11月初旬駒沢大学において研究会をもちコピ-類を分類、整理し、分担分野別に資料を読み込む作業を開始し、研究成果報告書の作成にとりかかった。作業過程で明らかになった点は、軍配組合の資料の残りぐあいに濃淡があることだった。紙部・砂糖部、綿業部、教肥部等の資料は比較的残っているが、毛糸毛織、工業薬品、人絹、染料の各部は残りぐあいが悪いこと、また、時期的にみると軍配組合結成当初の資料と終了時期の資料に乏しいことである。これらの資料の濃淡は別の資料で補充する必要があろう。入手資料に基づく分析の結果、軍配組合の目的に変化が生まれていたことが判明したことである。すなわち、発足当初は、日中戦争期だったため、軍票の価値維持にその目的がおかれていたこと。ところが太平洋戦争期に入ると日本国内への物資輸入機構へとその目的を変更し、価値維持機能は副次的目的へと転落していったことである。
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