1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01301086
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮本 匡章 大阪大学, 経済学部, 教授 (00028036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 哲夫 神戸大学, 経営学部, 教授 (90030709)
森田 哲弥 一橋大学, 商学部, 教授 (60017465)
|
Keywords | 会計情報 / 有用性 / セグメント情報 / FA化 / 国際会計 |
Research Abstract |
経済に占める企業の役割が増大するなかで、財務会計および管理会計を専門とする研究者の共同討議により、多角的に会計職能の在り方を見直し、展望するというのが、本研究の基本的な目的である。この目的に沿って、本年度は、計3回の全体研究会(およびその開催に合わせたグル-プ別研究会)を実施した。 研究内容については、財務会計の領域から、先物取引等の新しい金融取引の増加に対処すべく緊急の課題となっている実現主義概念の見直しの問題、最近特に注目されている公会計についてのわが国ならびに諸外国の実態を踏まえた比較研究、経営者による会計数値選好の一局面としての子会社合併の問題が、取り上げられた。また、管理会計の領域から取り上げられた論点は、会計システムが、企業組織ならびに企業戦略とどのように関わっているかについての理論・実証両面からの問題である。以上のような研究分担者による研究報告並びに討議に加えて、本年度は、三井東圧化学(株)大阪工業所を工場見学し、出川経理部管理室幹部部員によるコンビナ-ト経理の問題についてのご報告をタタキ台として、企業が現在直面している原価計算の諸問題を討議したこと、サントリ-(株)常勤監査役坂本幸雄氏による内部監査の新しい展開についてのご報告と討議により、会計監査のみならず業務監査の局面における監査諸問題についての理解を深めることができた。 以上、現代会計が直面する様々な課題について、多角的な観点から理解を深めその問題点の本質をかなりの程度明らかにできたと考えている。次年度もまた、多角的な視点から、会計職能の問題点を明らかにし、その対応を検討していく予定であるが、とりわけ、本年度では多少手薄であった現代の会計職能が直面する国際的な側面を取り上げるとともに、成果の纏めの作業を行いたいと考えている。
|
-
[Publications] 宮本匡章: "会計における実証研究の意義について" 会計. 136.5号. 1-11 (1989)
-
[Publications] 森田哲弥: "『会計の本質と職能』をめぐって" 会計. 137.1号. 1-17 (1990)
-
[Publications] 白鳥庄之助: "オフバランス問題と会計職能の再検討" 会計. 137.1号. 68-83 (1990)
-
[Publications] 高田正淳: "国際化と会計統一化" 会計. 136.6号. 1-13 (1989)
-
[Publications] 若杉明: "合併・買収と企業評価" 会計. 136.4号. 1-15 (1989)
-
[Publications] 諸井勝之助: "「原価計算基準」とその判定過程" 産業経理. 49.4号. 1-12 (1990)