1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01303006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島崎 英彦 東京大学, 理学部, 教授 (50013751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松枝 大治 北海道大学, 理学部, 助教授 (20108921)
内田 悦生 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40185020)
中野 孝教 筑波大学, 地球科学系, 助手 (20155782)
金田 博彰 東京大学, 工学部, 助手 (10092181)
鹿園 直達 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (10011751)
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Keywords | スカルン鉱床 / 鉱化作用 / 鉱化流体 / 天水循環熱水系 / 軽安定同位体 / 塩化物錯体 / 物質輸送 / 希土類之素 |
Research Abstract |
本年度は、研究の第3年目にあたり、研究の終了をむかえるので、主要な作業はこれまで収集したサンプルを用いた室内研究によるデ-タの補完、デ-タのとりまとめ、計算・作図による検討などを主眼とした。また全体の進行状況を確認し、研究者相互の情報交換のため、仙台での三鉱学会の折に分担者会議を開き、また三鉱学会では出来るだけ多くの者がそれまでの成果の一部を、何らかの形で発表するよう努めた。 以下に各研究グル-プごとの主な成果を記す。 1. 鉱物相解析グル-プでは、中野孝教によるスカルン鉱物内での微小領域での組成変動の測定例が蓄積し、これをシミュレ-トした結果、このような微小領域でのオシラトリ-ゾ-ニングは、熱水溶液内の物質輸送が浸透作用と拡散作用の相互の強度のつり合いにより形成される可能性があることを示した。また緑簾石・単斜輝石などにおけるAl,Mnなどの量の変化は、原岩(石灰岩,粘板岩,火成岩など)を識別するよい指標となることを示した。 2. 同位体比を用いた解析グル-プでは、島崎英彦は都茂鉱山での解析デ-タを増し、前年度の結果よりも更に複雑な熱水系の存在を示唆する結論を得た。このように複雑な熱水系の存在が示された例はこれまで殆ど報告されたことがない。落合清茂はREEの解析を釡石鉱山のスカルン鉱物を用いて行い、REEのパタ-ン解析は形成時の物理化学的条件、特に酸素分圧の高低を示すよい指標となることを示した。 3. 実験によるシミュレ-ショングル-プでは、内田悦生が塩化物錯体を用いた溶液反応によって、Mg・Fe・Mn・Ca・Znなどの二価の金属元素が溶液と鉱物の間でどのように分配されるかについて検討した。特に準輝石では、鉱物相にMnが濃集する傾向を把握し、この実験を通してMnSiO_3‐CaSiO_3系の温度に対する相図を完成した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakano,T.: "Rapid analytical method for trare Zn contents in some mafic minerals using the electron microprobe:potential utility as a metallogenetic and petrogenetic indication." Chemical Geology. 89. 379-389 (1991)
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[Publications] Nakano,T.: "an antigathetie relation between the heden.bergite and johamnsenite campanents in sharn clinopyroxeue from the Kagata tungsten aeposit,central Japan." Canadiam Mineral. 29. 427-434 (1991)
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[Publications] Mariko,T.: "magnesian skarm type magnetite deposit of the shinyewi mine,Korea:An oxygen and bydrogen isotope study" Proteadings of the 8thdIA60D Symp.
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[Publications] Kakuda,Y.: "Experimental study on phase equilibria in the system CaSiO_3‐MnSiO_3‐(Ca,Mn)Cl_2‐H_2O by means of ion exchange" Mining Geology. 41. 339-349 (1991)
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[Publications] Shimizu,M.: "New conpositional and aptical data for antimanian and bismulthian varieties of bemusite from Japan" Mineral.& Metrol.45. 11-17 (1991)
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[Publications] Henmi,C.: "Clinotobenmarite,Ca_5Si_6(O,OH)_<18>5H_2O,a new mineral from Fuka,okayama prefecture Japan" Mineral.Magazine.
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[Publications] Watanabe,M.: "Tin behavior and its implications for skarn genesis in Skarns‐Their Gencsis & metallogeny" The ophrastus Pube.S.A., 648 (1991)