1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01304033
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 武司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60029808)
中澤 晶子 山口大学, 医学部, 教授 (40053053)
水口 康雄 産業医科大学, 医学部, 教授 (10072919)
櫻井 純 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (80029800)
野田 公俊 千葉大学, 医学部, 教授 (60164703)
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Keywords | 溶血毒素 / 細胞溶解毒 / 赤血球 / 腸炎ビブリオ / 黄色ブドウ球菌 / ウェルシュ菌 / Vibrio vulnificus / Pseudomonas cepatia |
Research Abstract |
最終年度であるので、前年度の成果を受けてまとめを行った。篠田は前年度の<Vibrio>___ー <vulnificus>___ーの溶血毒(VVH)の検討を継続し、精製法の改良を行い、種々の株での抗原性の比較を行った。さらに、腸炎ビブリオの易熱性レシチン依存性溶血毒の精製を行って、分子量が極めて近接した2種の分子が存在することを示し、N末端アミノ酸の比較により、両者の分子サイズの相違が片方の分子の13アミノ酸残基の欠落で説明できることを示した。また、当初この溶血毒はPhospholipase A_2と考えていたが、Phospholipase Bの1種であることが示された。腸炎ビブリオの溶血毒に関しては本田により耐熱性溶血毒(TDH)および関連毒素、水口により新しい溶血毒としてのδーVPHの検討が行われた。TDHについては溶血機構が明かにされ、VVHと同様に浸透圧溶血を起こすが、若干異なる機構が働くことが示された。また、構造と機能に関して遺伝学的なアプロ-チが行われた。δーVPHに関しては、本毒素が腸炎ビブリオ自身で発現している直接的証拠はまだ得られていないが、モデル動物系で強い消化器症状を示すこと、調べた全ての株がこの遺伝子を持つことなどが明かとなり、下痢毒素としての可能性が示された。中澤は <Pseudomonas>___ー <cepatia>___ーが産生する低分子の耐熱性溶血毒について検討を進め、分子量が1000以下の水に不溶の物質であり、Amphotericin Bに匹敵する抗真菌作用を持つことを示し、遺伝子のクロ-ニングを行った。野田と加藤は黄色ブドウ球菌ロイコシジンおよびα毒素の作用機構の検討を継続し、既に見いだしていたロイコシジンのS成分とF成分の作用をさらに明確にすると共に、ADPリボシル化が両毒素の作用にじゅうようであることを示した。櫻井はウエルシュ菌α毒素の血管平滑筋収縮作用発現および溶血作用におけるリン脂質代謝の変化を明らかにした。これらは細胞溶解毒素の全体像の把握に有益な情報を提供しているものと思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Xia Wang: "Stimulatory effect of staphylococcal leukocidin on phosphoinotiside metabolism in rabbit polymorphonuclear leukocyte" Infection and Immunity. 58. 2745-2749 (1990)
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[Publications] Hatsumi Taniguchi: "Cloning and characterization of a gene encoding a new thermostable hemolysin from <Vibrio>___ー <parahaemolyticus>___ー" FEMS Microbiology Letters. 67. 339-346 (1990)
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[Publications] Hiroyasu Yamanaka: "Cytolytic action of Vibrio vulnificus haemolysin on mast cells from rat peritoneal cavity" Journal of Medical Microbiology. 32. 39-43 (1990)
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[Publications] Takashi Katsu: "Interaction of wasp venom mastparan with biomembranes" Biochimica et Biophysica Acta. 1027. 185-190 (1990)
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[Publications] Jun Sakurai: "Contraction induced by <Clostridium>___ー <perfringens>___ー alpha toxin" Toxicon. 28. 411-418 (1990)
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[Publications] Takeshi Honda: "Production of monoclonal antibody against a hemolysin (VpーTRH) produced by <Vibrio>___ー <parahaemolyticus>___ー" FEMS Microbiology Letters. 68. 167-170 (1990)