1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01304042
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮崎 逸夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80019538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永川 宅和 金沢大学, 医療短大部, 教授 (50019600)
三村 久 岡山大学, 医療短大部, 教授 (80116508)
小澤 和恵 京都大学, 医学部, 教授 (00026858)
阪口 周吉 浜松医科大学, 教授 (30107809)
羽生 富士夫 東京女子医科大学, 附属病院消化器病センター, 教授 (80075192)
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Keywords | 膵胆道系癌 / 病理組織学的進展様式 / 血管合併切除 / 血行再建術 / HLPD / Isolated pancreatectamy |
Research Abstract |
本年度の研究計画としては、1)膵胆道系癌の病理組織学的進展様式の解明と、2)膵胆道系癌における主要血管の合併切除および、膵血行再建術の手技の開発を目指した。1)については、金沢大学より膵胆道系癌拡大手術の成績ならびに門脈合併切除の経験が報告された。更に、進展状況について、神経浸潤の重要性と、リンパ節転移のうち特に大動脈周囲リンパ節転移状況とその経路解明への研究が報告され、今後の研究が注目された。栃木県立がんセンタ-の尾形は、慶応大学の症例を含め、これまでの血管合併切除を併う手術成績の報告がなされ、拡大手術に加え集学的治療の重要性が強調された。東京女子医大羽生は、胆嚢癌のこれまでの外科治療法の選択の仕方とその成績を報告し、特にHLPO(胆十二指腸間膜全切除を伴う胆膵同時切除)が注目された。浜松医大阪口は、進行胆嚢癌に対する拡大手術の意義を提示し、特に進行胆嚢癌の門脈浸潤に対し、積極的に切除再建を行うことで、予後改善の可能性があると報告した。京都大学小澤は、胆道癌治療における血管外科の応用として特に胆十二指腸間膜全切除の中で、その血行再建法と成績を報告し、特に経時的ケトン体比を測定することによる血管合併切除の意義が注目された。名古屋大学二村は、進行胆道癌に血管合併切除を伴う拡大手術の現状を報告し、特に切除率の向上はもとより、遠隔成績も向上してきたことを報告した。岡山大学三村は膵癌に対してIsolated pancreatecamyの新しい試みを報告し、全体の成績評価はまだ出来ないが、術後早期の肝再発は減少する事が注目された。以上、今年度の研究実績の概要を報告したが、次年度よりは主として血管合併切除の手技の開発およびその安全対策などを中心として研究する予定でいる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 宮崎逸夫,永川宅和,太田哲生: "進行胆嚢癌に対する根治手術" 消化器外科. 第12巻. 57-66 (1989)
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[Publications] 永川宅和,宮崎逸夫: "膵癌に対する拡大手術 拡大郭清門脈合併膵頭十二指腸切除術" 消化器外科. 第12巻. 1117-1126 (1989)
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[Publications] 宮崎逸夫,上野桂一,永川宅和: "胆道癌の治療 胆道癌の治療方針" 外科治療. Vol.61. 305-308 (1989)
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[Publications] 永川宅和,上野桂一,太田哲生,上田順彦,前田基一,小林弘信,中村隆,中野泰治,角谷直孝,宮崎逸夫: "膵頭部領域癌の進展様式よりみた広範囲 拡大郭清膵頭十二指腸切除術の適応" 日本消化器外科学会雑誌. 第22巻. 2511-2515 (1989)
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[Publications] 永川宅和,小西一朗,東野義信,上野桂一,太田哲生,萱原正都,上田順彦,前田基一,宮崎逸夫: "The Spread and Prognosis of Carcinoma in the Region of the Pancreatic Head" The Japanese Journal of Surgery. Vol.19. 510-518 (1989)