1989 Fiscal Year Annual Research Report
重点領域研究「粒子照射における励起と反跳の効果」の準備研究
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01306024
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桐谷 道雄 名古屋大学, 工学部, 教授 (70033826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 智見 九州大学, 工学部, 教授 (50037917)
下村 義治 広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
伊藤 憲昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022996)
吉田 直亮 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00127317)
藤田 広志 大阪大学, 工学部, 教授 (30028930)
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Keywords | 重点領域研究 / 照射効果 / 高エネルギ-粒子 / 原子炉材料 / 粒子線理工学 / 電子照射 / イオン照射 / 中性子照射 |
Research Abstract |
固体材料のエルネギ-粒子による照射効果については、材料の変質を防ぐ立場から材料を改造し積極的に利用する立場にわたる極めて広い分野で研究が進みつつある。これらを統合して一貫した材料科学として位置づけ、それぞれの分野の更なる発展を期するための組織的研究を、重点領域研究として発足させるための論理的分析検討と研究計画の策定を行った。 まず課題名に含まれる「励起」と「反跳」が照射効果発生の出発点であることを確認し、これに引きつづいて起こる多岐にわたる固体内反応を分類分析することにより、研究分担の論理的構成にまで到達した。その第一は、エルルギ-粒子と固体要素との相互作用(励起および衝突)即ち照射効果初期過程とも呼べるもので、反応断面積の理論や分子動力学法による連鎖衝突の解析などがこれに含まれる。第二は、最終的材料変化変質に到る過程に含まれる固体内反応の要素過程の抽出であり、点欠陥の相互作用・反応やその集合体の核形成および衝突変位による直接の材料混合や各種の緩和現象がこれに含まれる。第三は、多種の要素過程の組合せによって進行する最終の材料変化を直接対象としたもので、各種デバイス用多層膜の創成の原理や原子炉材料におけるボイドスゥエリング機構の解明などがこれに含まれる。第四は、本研究において進展する照射効果の理解を積極的に利用する立場からの研究で、粒子線理工学とも呼び得る分野である。 以上の討議検討の結果9個の計画研究を含んだ重点領域研究発足のための申請書の形態にまとめて報告書を作成したが、本総合研究(B)の研究者組織以外から多くの研究者を動員する必要があり、平成2年度に広く関連研究者に呼びかけ更に具体的な提案としてねり上げることにより、平成3年度発足の申請とすることとした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kojima,Y.Satoh,H.Taoka,I.Ishida,T.Yoshiie and M.Kiritani: "Confirmation of Vacancy-Type Stacking Fault Tetrahedra in Quenched,Deformed and Irradiated Face-Centered Cubic Metals" Philosophical Magazine. A59. 519-532 (1989)
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[Publications] M.Hirata,M.Hirata,S.Takeda and M.Kiritani: "Formation of Point Defect Clusters by Electron Irradiation in Gap,InAs and InP" Materials Science Forum. 34ー41. 1181-1186 (1989)
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[Publications] M.Hirata,M.Hirata,S.Takeda and M.Kiritani: "Spatial Distribution of Point Defect Clusters in Electron Irradiated GaSb and GaAs Single Crystals" Defect and Diffusion Forum. 62/63. 69-76 (1989)
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[Publications] M.Kiritani,T.Endoh,K,Hamada,T.Yoshiie,A.Okada,S.Kojima,Y.Satoh and H.Kayano: "Fission Reactor Irradiation of Materials with Improved Control of Neutron Flux-Temperature History" Journal of Nuclear Materials. (1990)
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[Publications] I.Ishida,S.Sasaki,T.Yoshiie,A.Iwase,T.Iwata and M.Kiritani: "PKA Energy Dependence of Cascade Damage Structure in Copper by Ion Irradiation" Journal of Nuclear Materials. (1990)
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[Publications] M.Kiritani: "Recoil Energy Spectrum Effects and Point Defect Processes Characteristic of Cascades" Journal of Nuclear Materials. (1990)