1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01307012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 尚史 東京大学, 工学部・化学工学科, 教授 (30010771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 真一 東京大学, 工学部・化学工学科, 助教授 (00155665)
諸岡 成治 九州大学, 工学部・応用化学科, 教授 (60011079)
酒井 清孝 早稲田大学, 理工学部・応用化学科, 教授 (00063727)
古崎 新太郎 東京大学, 工学部・化学工学科, 教授 (40011209)
佐田 栄三 京都大学, 工学部・化学工学科, 教授 (60023024)
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Keywords | 膜分離 / 逆浸透 / 限外ろ過 / ガス分離 / タンパク質 / 非水溶液 / 2分子膜 / ハイドロゲル |
Research Abstract |
1.膜透過理論の検討 膜機能を発現するための素材、構造の設計を可能にするためには、基礎となる膜透過機構の解明が不可欠である。非平衡熱力学による膜透過現象の定式化について、等温系、非等温系を対象に既往の理論を検討し、問題点を明らかにした。また、誘電的性質から膜機能を解明する、新しい手法を開発することができた。 2.非水溶液分離 膜分離法の新しい応用である非水溶液分離について、現在の逆浸透膜の適用可能性、限界を実験的に明らかにした。また、新規な機能性膜として、プラズマグラフト重合膜を開発したが、パ-ベ-パレ-ション法による非水溶液分離に優れた性能が得られ、今後の大きな可能性が示唆された。非水溶液分離で期待される無機材質膜については、現状の調査解析により、現在の技術は実用化にはかなりの距離があることを明らかにした。 3.タンパク質分離のための新機能膜 タンパク質の分離精製を目的に、等電点差を利用する正・負荷電膜や、銅キレ-トとタンパク質の相互作用を利用するアフィニティ-膜を開発し、その分離特性を明らかにした。血漿蛋白の分離については、テイラ-渦を利用した回転円筒型濾過器の有効性を実証した。 4.機能性膜の将来の可能性 リン脂質2分子膜の選択分離への応用は古くから提案されているが、実証デ-タは未だ得られていなかった。本研究では、アミノ酸、生体膜中のグルコ-ス輸送体の選択透過に成功し、今後の発展の可能性を明確にした。ハイドロゲルを分離膜に応用するまったく新しい試みも検討され、外部環境変化による透過性の制御が可能であることを明らかにした。
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