1989 Fiscal Year Annual Research Report
「ウイルス病原性の分子的基盤」研究推進のための調査研究
Project/Area Number |
01308016
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永井 美之 名古屋大学, 医学部, 教授 (20022874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 幸廣 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60115615)
田代 真人 自治医科大学, 助教授 (90111343)
野本 明男 東京都臨床医学総合研究所, 部長 (70112670)
中島 捷久 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40012778)
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Keywords | ウイルス病原性 / ウイルストロピズム / ウイルスゲノム / ウイルス変異 / ウイルス持続感染 / ウイルス宿主相互作用 / 分子生物学 |
Research Abstract |
ウイルス病原性の発現機構を分子の水準で明らかにすることは、ウイルス病の制御のための理論的依り処を得るためにも、ウイルスとのかかわりを通じて、生体の機能をよく深く知る上でも重要である。本研究は、この方向でのわが国の研究がいかなる到達段階にあり、それをさらに推進するためにはいかなる取り組みが必要であるかを調査検討するために設定された。各種のDNA型、RNA型ウイルス研究の第一線にある研究者11名で班を構成し、(1)平成元年12月22日(名古屋大学医学部)と平成2年2月8日(名古屋毎日ビル国際サロン)の2回の班会議を行うと共に、(2)平成2年2月8日〜9日の2日間にわたって、「ウイルス病原性の分子的基盤ーウイルス宿主相互作用を司る分子群ー」の表題のもとにシンポジウムを開催した(名古屋毎日ビル国際サロン)。シンポジウムは現在わが国での、ウイルス・宿主相互作用の分子生物学的解析における典型例とみなされる26題をとりあげ、全国各地の大学、研究所からの約200名の一般参加も得て、深くかつ熱気あふれる討論を繰り広げた。ゲノム構造や増殖様式を異にするウイルスを諸々の立場から時間をかけて検討でき、そのために、討論の広がりと深さが保障できた点が特筆される。このシンポジウムから得られた現状認識と、班員個々人の独自調査とその班会議への集約結果をもとに、わが国のウイルス病原性の分子的基盤の研究は、いま高揚期を迎えようとしており、その推進を医学的のみならず生物学的観点からも積極的にはからねばならないとの判断に達した。以上をもとに、平成3年度重点領域研究として「ウイルス・宿主相互作用の分子生物学」(代表中島捷久、東大医科研)を申請することとした。
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