1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01400005
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 敏幸 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30198543)
日野 知証 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90208778)
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (50171616)
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Keywords | マイクロバル-ン / コントロ-ルリリ-ス / エマルションー溶媒ー拡散法 / 胃内滞留時間 / 浮遊性 / 晶析 / ラジオグラフィ- / 粒子設計 |
Research Abstract |
平成元年度でほぼ確立をみた、エマルションー溶媒ー拡散法により、微小中空浮遊型デバイス(マイクロバル-ン)を調製し、そのinーvitro,inーvivoでの浮遊能と薬物放出特性の評価を中心に研究を行った。 モデル薬物として、経口抗アレルギ-剤トラニラストを使用した。薬物とアクリル酸系ポリマ-を、エタノ-ル・ジクロロメタン混液に溶解し、PVA水溶液に攪はんしながら添加しo/Wエマルションを形成させた。溶媒中のポリマ-濃度と、エタノ-ル/ジクロロメタンの割合を変えることにより、種々の薬物含量のマイクロバル-ンを調製することができた。ポリマ-濃度をあげることにより、マイクロバル-ン中の空孔容積を増大させることができた。又、マイクロバル-ンの外殻中に分散した薬物は非晶質化することが判った。マイクロバル-ンからの薬物放出は、腸溶性の挙動を示した。薬物の放出速度は、マイクロバル-ン中の薬物/ポリマ-比を変えることにより制御できた。マイクロバル-ンの比重は1より小さく、そのため、水中(inーvitro)で12時間以上浮遊した。マイクロバル-ンに硫酸バリウムを含有させたものを、ヒトに経口投与し、X線撮影し、その浮遊挙動を調べたところ、胃内に3時間以上浮遊し、新しい微小中空浮遊型薬物放出制御システムとして機能することが明らかになった。以上の成果は、J.Control.Releaseに公表される予定である。 本研究で確立された、エマルションー溶媒ー拡散法を晶析操作に応用すると、晶析操作中に、薬物の結晶を製剤操作に適した物性に設計できることを見出した。エマルション滴内での核の生成、結晶の成長過程をX線回析法により明らかにすることができた。晶析系に種晶や、疎水性又は親水性の高分子を添加することにより物性を改変できた。これらの知見は薬学雑誌に投稿中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Kawashima,T.Niwa H.Takeuchi,et al: "Preparation of multiple unit hollow microspheres (microballoons) with acrylic resin containing tranilast and their drug release characteristic (in vitro) and floating behavior (in vivo)" J.Controlled Release. (1991)
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[Publications] 川島 嘉明,竹内 洋文、丹羽 敏幸、日野 知証等: "エマルションー溶媒ー拡散法による薬剤粉末の球形晶析造粒の挙動,プロセスの改良及び回分式閉回路システムの提案" 薬学雑誌.
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[Publications] Y.Kawashima,T.Niwa,H.Takeuchi,et al: "Preparation of hollow microshere (microballoon) as a possible floating controlled drug delivery system in stomach" J.Pharm.Sci.
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[Publications] Y.Kawashima(分担): "Powder Technology Handbook" Marcel Dekker,Inc.New York, 794 (1990)