1989 Fiscal Year Annual Research Report
1930〜40年代の京都地域における支配・統合と抵抗に関する総合的研究
Project/Area Number |
01410009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
後藤 靖 立命館大学, 経済学部, 教授 (10066516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 史朗 立命館大学, 法学部, 助教授 (80202513)
上田 博 立命館大学, 文学部, 教授 (60140084)
中村 福治 立命館大学, 経営学部, 教授 (90091719)
松野 周治 立命館大学, 経済学部, 助教授 (10128457)
伊藤 武夫 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (60018794)
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Keywords | 経済統制 / 軍需動員 / 国民精神文化 / 農村経済更生計画 / 企業整備 / 戦時災害保護法 |
Research Abstract |
研究史整理に関しては、「京都地域の経済統制と産業動態」、「京都地域における金融機関発達史の研究動向」、「政党政治の崩壊」、「京都府下の政治・社会史研究について」、「戦時下の京都の文化」などの諸報告をたて、従来の研究の問題点を明らかにするとともに、研究課題の鮮明化につとめた。また、購入したアメリカ議会図書館所蔵「米軍没収資料・内務省関係マイクロフィルム」および米国国立公文書館所蔵「極東国際軍事裁判検察側証拠書類マイクロフィルム」については、収録されている企画院関係、特高関係、軍関係資料の分析をすすめた。 さらに、東京の国立国会図書館、通産省資料センタ-、早稲田大学図書館、法政大学大原社会問題研究所などに資料調査に赴き、資料収集につとめた。 以上の基礎研究に立って、十五年戦争期の京都府下の動向については、府議会議事録を収集・分析するとともに、商工業分野での経済統制・軍需動員関係、軍事援護団体の設置関係、国民精神文化講習所関係、戦時災害保護法関係の府庁文書の調査収集をおこなった。その中で、従来全く知られていなかった我が国最初の軍需工業動員演習(一九二九年、京都府、大阪府、兵庫県が対象)の実態も明らかにされつつある。また『京都日出新聞』の関係項目のリスト・アップにも着手し始めた。 丹後の峰山町及び網野町木津には二回にわたり資料調査をおこない、峰山町では旧丹波村役場文書を新たに発掘し、その仮目録を作成した。網野町旧木津村文書については八百数十冊の資料の存在を確認し、村勢に関する基本資料とともに、経済更生、青年団、『村報』その他の資料収集をおこなった。この中で、養蚕と機業を副業とした低生産力の農村の戦時下の特質があきらかになりつつある。
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[Publications] 後藤靖,松野周治: "木津村における経済更生運動" 立命館大学人文科学研究所紀要. 52. (1990)
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[Publications] 伊藤武夫: "京都府下の軍需工業動員演習と商工業者" 立命館大学人文科学研究所紀要. 52. (1990)
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[Publications] 赤澤史朗: "『木津村報』の動向" 立命館大学人文科学研究所紀要. 52. (1990)
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[Publications] 井口和起: "兵士たちの手紙ーー『前線通信』の分析" 立命館大学人文科学研究所紀要. 52. (1990)