1989 Fiscal Year Annual Research Report
長野県大室古墳群における積石塚古墳とその性格に関する研究
Project/Area Number |
01410012
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 三郎 明治大学, 文学部, 教授 (90061928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 日出志 明治大学, 文学部, 専任講師 (40159702)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
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Keywords | 大室古墳群 / 積石塚 / 土石混合墳 / 合掌形石室 / 竪穴式石室 / 横穴式石室 / 土師器、須恵器 / 馬具 |
Research Abstract |
平成1年度の調査は、大室古墳群、大室谷支群のムジナゴ-ロ単位支群(185号、186号、187号、189号、190号、195号墳)を対象として実施した。以下、各古墳の調査結果について略述する。 ・185号墳;積石の墳丘清掃、実測。墳裾から土師器片を採集。 ・186号墳;内部主体の横穴式石室はすでに開口している。本年度は主として墳丘規模の調査を実施した。墳丘は東西12.5m、南北13.5mあって、墳裾は自然石を垂直に近い状態で積みあげている。石室前庭部は土砂の堆積が顕著であったが、発掘の結果、須恵器、土師器が良好な状態で発見された。馬歯の発見も注目に値する。石室内部調査は次年度調査の予定であるが、墳丘は土石混合墳というべきか。 ・187号墳;直径12.4mの積石塚。墳丘中央部に平石を立てて構築した横穴式石室を発見した。石室床面から馬具、大刀、刀子、鉄鏃、耳環などを検出した。 ・189号墳;南北10m、東西11mほどの積石による円墳。内部主体は箱形石棺であるが、蓋石が除去されているので合掌形石室であった可能性もある。墳丘各所で土師器片、須恵器片の出土をみた。 ・190号墳;墳丘は破壊が著しくて規模は不明。土石混合墳であったと考えてよい。内部主体は横穴式石室。遺骸の一部がのこっている。墳丘から土師器、須恵器片を検出した。 ・195号墳;直径12m位の積石による円墳と考えられる。墳丘の中央部に併列する2基の竪穴式石室状の内部主体を検出した。東側の石室から鉄鏃、大刀、刀子のほか馬具(雲珠3、鈴1)が発見されている。墳丘から土師器、須恵器が出土している。
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