1992 Fiscal Year Annual Research Report
長野県大室古墳群における積石塚古墳とその性格に関する研究
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01410012
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Research Institution | MEIJI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 三郎 明治大学, 文学部, 教授 (90061928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 日出志 明治大学, 文学部, 助教授 (40159702)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 教授 (00061771)
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Keywords | 大室古墳群 / 積石塚古墳 / ムジナゴーロ単位支群 / 円墳 / 石室前庭部 / 須恵器 / 土師器 / 追葬 |
Research Abstract |
今年度の発掘調査は、大室古墳群中のムジナゴーロ単位支群第200号墳および第201号墳について、昨年度調査の継続として実施した。(第200号墳)石室清掃の後、石室実測を実施し、あわせて墳丘規模とその構造を明らかにするために、墳裾の発掘調査を実施した。墳丘は径10m×11mの不整円形を呈する円墳である。墳丘は、肩形にひろがる前庭部に連接する石列が円形にめぐる墳裾を基礎とし、中段には羨道口より直角に近く屈折する石列とによって構成されていることが判明した。石室壁体と墳丘石列との間隙は、土石混合による封土がほどこされている。 石室前庭部には須恵器大甕、長頸壷、杯、土師器高杯、杯を中心に、多数の土器が出土した。また、墳丘西側の中段には、土師器高杯、杯とともに3本の鉄鍬が集中的に出土した。 (第201号墳)石室清掃の後、石室実測を実施し、あわせて墳丘規模とその構造を明らかにするために、墳裾の発掘調査を実施した。墳丘は9.5m×8.5mの不整円形を呈する円墳と判断された。墳丘には、1〜2段の石列をめぐらせているが、自然地形の谷側方面にのみ石列を用いていて、墳丘を全周していない。 石室前庭却付近から、須恵器大甕、横瓶、杯、高台付杯、杯蓋、土師器高杯、杯などを発見している。また、これらの土器片に混入して鉄刀子片2点を採集しているが、追葬による結果とみてよい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小林 三郎: "信濃における古墳文化研究の課題" 長野県考古学会誌. 第61号. 51-59 (1992)
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[Publications] 大塚 初重: "東国の積石塚古墳とその被葬者" 国立歴史民俗博物館研究報告. 第44集. 3-19 (1992)
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[Publications] 大塚 初重,小林 三郎共編著: "大室古墳群(上信越自動車道埋蔵文化財発掘調査報告3)" 長野県埋蔵文化財センター信毎書籍印刷株式会社, 240 (1991)
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[Publications] 小林 三郎編著: "古墳と地方王権" 新人物往来社, 202 (1992)