1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01420001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
祖父江 義明 東京大学, 理学部, 教授 (10022667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 利弘 東京大学, 理学部, 助手 (40202270)
林 正彦 東京大学, 理学部, 助手 (10183914)
稲谷 順司 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (20134629)
長谷川 哲夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50134630)
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Keywords | 銀河 / 星 / 星間物質 / 星の形成 / サブミリ波 / 分子線 / 電波天文学 / 電波観測 |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの柱について研究を進めた。 〔1.60cmサブミリ波サ-ベイ望遠鏡の受信装置の充実〕 受信装置のうちで特に整備が急がれる広帯域電波分光計を新たに製作し、CO J=2-1輝線による銀河面サ-ベイの試験観測を開始した。新設した広帯域音響光学型電波分光計は、将来特に要求が強くなる装置の小型化・軽量化を重要な設計目標とし、容積で1/10以下、重量では1/20を達成した。また、観測の効率化・自動化のために、計算機プログラムの作成や周辺装置の整備・製作・改良を進めた。また、来年度以降受信機フロントエンドのSIS化を進めるために230GHz観測用SIS素子および周辺回路の設計を進めた。 〔2.345GHzマルチビ-ム受信機の実験と設計〕 サブミリ波観測用SISミクサ-の開発の第1段階として、230GHzSISミクサ-の設計を進め、ミクサ-ブロックを試作するとともに、来年度の冷却実験の開始に備えて4K閉サイクル冷凍器を購入・設置した。並行してマルチビ-ム受信機の光学設計を進め、イメ-ジロ-テ-タ等マルチビ-ム化にあたり必要になる光学系における電波のロスの計算法を開発した。 〔3.銀河の観測〕 系外銀河のミリ波・サブミリ波観測を、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m望遠鏡やスペインのミリ波天文学研究所(独仏連合)30m望遠鏡など、国内外の大口径望遠鏡を利用して行った。これらの観測は、本格観測の指針を得るとともに、製作するマルチビ-ム受信機の仕様をさらに詰めるための重要なステップとなった。
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[Publications] 祖父江義明,他: "CO observations of the peculiar edgeon galaxy NGC4631" Publ.Astr.Soc Japan. 41. 937-952 (1989)
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[Publications] 祖父江義明,他: "CO^<(J=2-1)>Observation of M82" Astron.Astrophys.(1990)
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[Publications] 長谷川哲夫: "Molecular Hydrogen Emission from Photodissociation Regions" Proceedings of IAU Collog 120,“Structure and Dynamics of Interstellar Matter",ed.G.TenorioーTogle,Springer.印刷中. (1990)
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[Publications] 林正彦,長谷川哲夫他: "Velocity Field in the Fragmented Molecular Cloud Core of W3;Evidence for LargeーScale Turbulence" Astrophysical Journal. 340. 298-306 (1989)
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[Publications] 半田利弘,他: "CO observations of the Bar in M83" Publ.Astron.Soc.Japan. (1990)
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[Publications] 長谷川哲夫: "Fluorescent Molecular Hydrogen:From Nebulae to Galaxies" Proceedings of NOAO Conference on“Astrophysics with Infrared Arrays,“ed"R.Elston.(1990)
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[Publications] 祖父江義明: "コンピュ-タ-が描く宇宙" 恒星社, 102 (1989)