1990 Fiscal Year Annual Research Report
太平洋横断通信ケ-ブルを用いた大洋底地球科学観測ステ-ションのための基礎研究
Project/Area Number |
01420010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
行武 毅 東京大学地震研究所, 教授 (90012898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 邦彦 東京大学地震研究所, 教授 (50012951)
都司 嘉宣 東京大学地震研究所, 助教授 (30183479)
浜野 洋三 東京大学, 理学部・地球物理学教室, 教授 (90011709)
笠原 順三 東京大学地震研究所, 助教授 (70012953)
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Keywords | 海底ケ-ブル / 海底地震観測 / 海底電磁気観測 / 海底津波観測 / 長周期地震計 / 加速度計 / 差圧型ハイドロフオン |
Research Abstract |
本年度は宮城県江ノ島沖に敷設する海底観測装置の開発を行った。本装置はセンサ-部分、A/D変換部分、伝送部分、ケ-ブル、収録部分、電源装置からなる。センサ-としては地震計、地磁気、津波、温度からなる。海底地震計は3成分の加速度計、速度計を用いる。18ビットのA/D変換器を試作した。この地震計6成分は100Hzのサンプリングで伝送装置に送られる。ここで地磁気、津波のデ-タと合わされ陸上へ伝送される。陸上からはコマンドによりサンプルの開始、重力のキャンセルを行う。これらの総合試験を実験室で行い、A/Dの精度にやや雑音の混入があるが全体として満足のいく結果を得た。海底地磁気測定装置は,3成分変化を測定するフラックスゲ-ト磁力計と,全磁力を測定するプロトン磁力計とによって構成される。いずれも測定間隔1分,分解能は0.1nTとした。これらを本研究の観測システムに組み込むために解決すべき問題点がプロトン磁力計に関連していくつか考えられた。最も大きな問題点は,励磁電流が2.5A必要であるのに,使用可能な電流は約100mAに制限されている事である。そこで測定と測定の間に,コンデンサ-を充電し,1分間に蓄えられる電気量で励磁を行うという方式をとることにした。また,プロトン磁力計の信号とフラックスゲ-ト磁力計の励磁とが干渉する可能性も考えられたが,両者の測定のタイミングをずらすことで解決した。津波計も本体に江ノ島津波観測所で試験的な観測を開始した。現在のところ大きな津波がない。陸上における収録部分も完成し自動収録の試験も良い結果であった。これらの装置を組み合わせ海況の安定した3月下旬に宮城県江ノ島沖の海底に設置観測の予定している。デ-タは江ノ島で自動収録する。グアムケ-ブル陸上局の施設を参考にする。
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[Publications] 笠原 順三,浜野 洋三,行武 毅: "太平洋横断海底通信ケ-ブル利用による地球科学観測の概要" 月刊海洋. 22. 447-451 (1990)
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[Publications] 浜野 洋三,鈴木 欣也: "海底ケ-ブルの技術について" 月刊海洋. 22. 452-456 (1990)
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[Publications] 笠原 順三,片尾 浩: "太平洋横断ケ-ブルと地震観測" 月刊海洋. 22. 457-462 (1990)
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[Publications] 都司 嘉宣: "太平洋横断ケ-ブルと津波観測" 月刊海洋. 22. 463-468 (1990)
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[Publications] 行武 毅,浜野 洋三: "太平洋海域での地球電磁気連続観測" 月刊海洋. 22. 469-475 (1990)
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[Publications] 島崎 邦彦: "デ-タ利用とポセイドン計画" 月刊海洋. 22. 499-503 (1990)