1989 Fiscal Year Annual Research Report
深部マントルの化学構造とその形成過程に関する実験的研究
Project/Area Number |
01420013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大沼 晃助 東北大学, 理学部, 教授 (50000865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷中 利昭 東北大学, 理学部, 助手 (50202429)
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 助教授 (90133933)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
加藤 工 東北大学, 理学部, 助手 (90214379)
大谷 栄治 東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)
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Keywords | 多重アンビル高圧発生装置 / マントル物質 / クロム / チタン / 高マグネシウム安山岩 / エクロジャイト / 高圧実験 |
Research Abstract |
新規購入予定の多重アンビル型高圧発生装置は設計を終え、前川試験機製作所に製作を依頼し現在設置中である。平成2年4月からは100〜250kbarにおけるマントル物質の融解実験を行う。 上記のような事情から、平成元年度においては既存の高圧装置を用いて、30kbarまでの予察的実験を次のように行った。 [1]玄武岩のモデル系Mg_2SiO_4ーCaMgSi_2O_6ーCaAl_2Si_2O_8に微量(Cr_2O_30.4wt.%)のクロムを加え10kbarにおける相関係および元素分配について実験を行った。その結果、系の相関係におよぼすクロムの効果は圧力のみならず酸素分圧にも大きく依存し、低酸素分圧下においてはクロムは2価の状態でカンラン石中に固定されることが明らかとなった。 [2]次に高圧下におけるチタンの挙動を検討するため、CaMgSi_2O_6ーCaTiAl_2O_6系の10kbarにおける相平衡関係を決定した。輝石の一相領域は常圧の場合に比して減少しペロブスカイトが晶出する。したがって輝石に対するチタンの固溶度は圧力の増加と共に減少し10kbarにおいてはTiO_22wt%(常圧においては3wt%)になる。 [3]マントル/地殻境界部の化学構造検討の一環として、高マグネシウム安山岩に対し10〜40kbarの高圧実験(無水条件)を行った。圧力増加とともに斜長石は減少しザクロ石が増加する。30kbar以上では、輝石+ザクロ石+コ-ザイト(エクロジャイト)となる。実験で得られた鉱物組み合わせから密度の圧力依存の推定を行った。その結果、高マグネシウム安山岩組成物質の密度は地下200km付近ではマントル物質(パイロライト)の密度に近くなることが推定される。
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Research Products
(1 results)