1989 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィ干渉法による複合材料積層板変形の精密計測と層間応力の理論解析
Project/Area Number |
01420019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 恭平 東京大学, 工学部, 教授 (20011190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 一夫 東京大学, 工学部, 講師 (60010906)
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Keywords | 複合材料積層板 / 層間応力 / 層間剥離 / 自由縁 / ホログラフィ干渉法 / 二重露光法 / 準三次元応力解析 / 有限要素法 |
Research Abstract |
複合材料積層板に面内応力が作用すると、金属のような均質板の場合と異なり、各層の弾性係数の不一致により自由縁に層間応力が発生し、複合材料積層板の強度を支配する層間剥離の原因となる。そこで、この層間応力に起因する積層板の自由縁における変形を精密測定し、理論解析の結果と比較検討するのが本研究の目的である。ホログラフィ-光学システムと、アルゴンレ-ザ-発振器および電源を購入し、炭素繊維複合材料積層板の片持梁に端末せん断荷重を加えたときの変形をホログラフィ二重露光法によって計測した。ポアソン比に起因する板厚方向の変形と、自由縁の層間応力に起因する変形とを計測することができた。またアルミニウム合金平板の片持梁についても同様の実験を行い、均質板のように層間応力が発生していない場合の自由縁の変形を計測し、積層板の変形との相違を明らかにした。 純粋曲げを受ける複合材料積層板については、準三次元有限要素法によって短冊型試験片の自由縁における層間応力と、それに起因する変形を解析し、実験結果との比較を行った。しかし、せん断曲げの実験の場合には、せん断力による変形が付加されているため、理論解析との精密な比較は困難であった。そこで、現在4点曲げによる純粋曲げ試験装置を製作し、積層板および均質板の純粋曲げの実験を進めている。 一様引張を受ける複合材料積層板の自由縁における変形については、準三次元有限要素法によって理論解析を行った。ホログラフィ干渉法による変形計測については、現在、荷重を作用させたときの面外剛体変位を拘束するように工夫した引張荷重装置を製作し、実験を進めている。 今後、曲げや一様引張を受ける炭素繊維複合材料積層板の有孔短冊型試験片の直線自由縁及び円孔まわりの層間応力に起因する変形を計測する予定である。
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