1989 Fiscal Year Annual Research Report
炭素固定化を先導するふく射制御燃焼過程に関する研究
Project/Area Number |
01420023
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
越後 亮三 東京工業大学, 工学部, 教授 (70037737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花村 克悟 東京工業大学, 工学部, 助手 (20172950)
吉田 英生 東京工業大学, 工学部, 助手 (50166964)
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Keywords | 地球温暖化 / CO_2排出低減 / 炭素固定化燃焼 / すす生成 / ふく射エネルギ- / 可燃限界 |
Research Abstract |
化石燃料からの炭酸ガス排出低減の対策として燃焼中に炭素固定化を実施した場合の熱工学的評価を行ない、欧米で提案されている炭酸ガスの分離・液化・固化(ドライアイス)による海洋投棄と比較し、十分比肩し得る立場にあることを明かにすると共に、他に提案されている多くの案も併せて検討・分析を行ない、その成果は学会にて公表した。 また実験的な立場から炭素固定化燃焼法の可能性を確かめることを優先して研究を進めた。具体的には、従来から申請者等が進めてきた多孔性固体を用いた燃焼促進技術を燃料過濃条件のメタン・空気予混合火炎に応用した。この結果、メタン・空気予混合火炎の燃料過濃限界(当量比φ=1.69)以上の当量比φ=3.5程度まで燃焼限界を拡張させることに成功した。この時、φ=1.8あたりで輝炎が観察され、φ≧2ですすの析出が確かめられた。ここで予混合気中の炭素量から燃焼ガス中の炭素含有量を差し引くことにより求められる炭素固定率は20%であった。この値は従来の燃料法ですすを生成することがほとんど不可能であったことを考えるときわめて大きな値であるといえる。引続き高い当量比で燃焼させた際に発生する“すす"を分離する一つの方法として燃焼帯上部空間に4〜10kv程度の直流高電圧を付加し、連続的にすすを分離することができることも確認した。また、本研究に関する中心的な設備である質量分析計を購入し、燃焼過程中における固定炭素の生成に関する反応動力学解析に向けて、諸種の中間生成物の詳細なデ-タマップ作成の作業にはいった。さらに燃焼過程に及ぼすふく射エネルギ-輸送の影響を検討するため、既設の可視・赤外分光光度計により固定炭素のふく射特性を測定する実験準備も進めている。
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[Publications] 越後亮三,花村克悟,吉田英生,奥山正明,小金沢知己: "炭素固定化に先導するふく射制御燃焼過程に関する研究" 第27回燃焼シンポジウム前刷集. 146-151 (1989)
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[Publications] 越後亮三,吉田英生,花村克悟,奥山正明,小金沢知己,土方邦夫: "炭素固定化制御燃焼によるCO_2排出低減の新しい試み" エネルギ-資源.
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[Publications] Ryozo ECHIGO,Hideo YOSHIDA,Katsunori:HANAMURA,Masaaki OKUYAMA,Tomomi:KOGANEZAWA,Kunio HIJIKATA: "A New Approach Reduction of CO_2 Emission by Radiation Controlled Combustion" Proceedings of 3rd ASME-JSME Thermal Engineering Joint Conference.