1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01420026
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 昭夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 進 京都大学, 工学部, 助手 (10208358)
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Keywords | 超格子 / 光物性 / 量子物性 / 局在準位 / 時分解ホトルミネセンス / 光吸収 |
Research Abstract |
分子線エピタキシ-により、Al_<0.5>Ga_<0.5>Asバルク混晶、(AlAs)_2(GaAs)_2規則超格子、(AlAs)_m(GaAs)_nでm,n=1、2、3の不規則超格子を作製する。これらは巨視的な化学組成はAlAs=0.5、GaAs=0.5と同じであるが、微視的構造が異なる。これら三種類のうち不規則超格子が本研究の結晶異方性半導体の一種類に相当するものである。 低温4K、77Kで既に不規則超格子が発光に優れた特性があることが示されているが、それに引続き常温での光発光の特性を測定した。不規則超格子はバルク混晶より30倍、規則超格子より20倍強く発光することが認められた。 不規則超格子が発光機能に優れている理由を調べるために、4K、77Kおよび常温での光吸収係数の測定を行った。吸収係数10^2cm^<-1>でのエネルギ-幅について、バルキ混晶が規則超格子より約0.02eV広いが,ほぼ2.1eVの値である。これに対して不規則超格子は約1.91eVで、0.19eV狭くなっている。バルク混晶、規則超格子では光吸収端から、ほぼ一音子のエネルギ-分の低い所で、発光の最大値を示すのに対して、不規則超格子は吸収端より高いエネルギ-で発光している。バルク混晶、規則超格子では過剰電子、正孔の再結合には音子を必要とするが、不規則超格子ではそれを必要としないことを示唆している。 三種類の試料に対して時分割光発光を調べ、その強度の時間変化を測定した。不規則超格子は一桁足らず速く減衰することが観測された。以上の実験結果から、不規則超格子では、人工的にエネルギ-・バンド幅近傍に局在準位が創り出され、局在準位を通して、過剰少数キャリアの緩和時間が短くなっているものと結論されている。 不規則超格子をSi/Ge材料で実験を進めるために、Si系分子線エピタキシ-装置の購入、調整を行い、平成2年度では、同様研究をSi系材料で、できる準備を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Sasaki,M.Kasu,T.Yamamoto,S.Noda: "Proposal and Experimantal Results of Disordered Crystalline Semiconductors" Japanese Journal of Applied Physiscs. 28. L1249-L1251 (1989)
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[Publications] M.Kasu,T.Yamamoto,S.Noda,A.Sasaki: "Absorption spectra and Photoluminescent Processes of AlAs/GaAs disordered Superlattices" Japanese Journal of Applied Physics. 29. (1990)
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[Publications] T.Yamamoto,M.Kasu,S.Noda,A.Sasaki: "Photoluminescent Properties and Optical Absorption of AlAs/GaAs Disordered Superlattices" Journal of Applied Physisc.