1990 Fiscal Year Annual Research Report
高強度のコンクリ-トと鉄筋を用いた鉄筋コンクリ-ト構造における付着・定着
Project/Area Number |
01420037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 司郎 京都大学, 工学部, 教授 (30025902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 徹三 豊橋技術科学大学, 建設系, 助教授 (40026092)
小松 勇二郎 京都大学, 工学部, 教務職員 (60109022)
近藤 吾郎 京都大学, 工学部, 助手 (30195896)
藤井 栄 京都大学, 工学部, 助手 (70144334)
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Keywords | 鉄筋コンクリ-ト / 付着 / 定着 / 異形鉄筋 / ふし / 高強度コンクリ-ト / 付着割裂 / すべり |
Research Abstract |
本年度は鉄筋表面ふし形状の影響の定量的な評価、付着機構解析、実部材(梁、柱、接合部)における性状評価のための実験を、研究実施計画に基づいて実施した。研究進捗度も含めて以下に取りまとめて成果を報告する。 1.高強度コンクリ-ト中での鉄筋表面のふし形状と付着特性の関係を定量化するため、新たに周辺拘束度が十分な場合の付着引抜き試験を実施した。研究成果は以下の通りである。 (1)ふし高さ・ふし間隔比が大なるほど付着すべり剛性が増大する。 (2)拘束十分な場合の付着強度はコンクリ-ト圧縮強度の0.85乗に比例する。 (3)付着特性はふし前面の支圧応力ーすべり関係に帰着し、コンクリ-ト強度とふし形状の関数でモデル化した。 有限要素法解析によって上記の知見を検討する予定であったが現在準備中であり次年度実施の予定である。 2.梁部材の付着割裂強度と付着長さの関係について実験的に調査した。以下の知見を得た。 (1)横補強筋がないと付着長さと付着強度は逆比例の関係にあるが、横補強筋が増すとその影響が鈍化する。 (2)高強度RC梁では付着試験法によって横補強筋効果が異なる傾向が顕著になる。 次年度にこれらの影響を定量的に評価して付着割裂強度算定式を提案できる見込みである。 3.内柱・梁接合部の梁通し筋の付着性状について、モデル試験法を開発し実験した。以下の知見を得た。 (1)接合部内付着強度は、コンクリ-ト圧縮強度の約2/3乗に比例して上昇する。 (2)柱軸圧縮応力比が大きいほど、柱せい・鉄筋径比が大きいほど付着性状は良くなる。 (3)実験結果に基づき、局所の付着強度に基づく接合部付着設計指標式の素案を得た。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 赤司 二郎: "異形鉄筋の表面ふし形状とコンクリ-ト強度が付着性状に及ぼす影響" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C・構造II. 711-712 (1990)
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[Publications] 赤司 二郎: "コンクリ-ト強度と鉄筋のふし形状が付着特性に与える影響" コンクリ-ト工学年次論文報告集. 13. (1991)
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[Publications] 藤井 栄: "高強度鉄筋コンクリ-ト柱・梁接合部における梁通し筋の付着性状" コンクリ-ト工学年次論文報告集. 13. (1991)
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[Publications] 角 徹三: "高強度コンクリ-トを用いた鉄筋コンクリ-トはりの付着割裂強度" コンクリ-ト工学年次論文報告集. 13. (1991)