1989 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能ホログラフィ-電顕法による磁性材料の原子レベル微細構造と磁化機構の解明
Project/Area Number |
01420039
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
矢田 慶治 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (60006129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川俣 泰宏 帝京大学, 理工学部, 教授 (60006145)
武野 幸雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (30126875)
丹司 敬義 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (90125609)
山戸 吉雄 東北大学, 科学計測研究所, 講師 (20006141)
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Keywords | 電子線ホログラフィ- / 超高分解能電顕 / 磁性薄膜 / 磁化機構 |
Research Abstract |
高分解能電顕による結晶構造像と対応づけらた磁区や磁壁の詳細な観察は、磁化機構の解明に有力な手がかりを与える。これが可能な最も高い空間分解能が期待されるのは電子線ホログラフィ-である。電子線ホログラフィ-には基本的に干渉性の極めて高い電子源と、干渉を行わせるための電子線複プリズムを必要とする。 本研究では、(1)200KV電顕の電子銃を高干渉性の電界放射電子銃に改造して0.1nmの超高分解能をもつホログラフィ-電顕を実現する。(2)デジタル画像処理により、電子レンズの収差による歪みを補正した結晶構造像と、試料の磁束分布を表す位相差顕微鏡像を同一のホログラムから再生できるシステムを作る。(3)このシステムを用いて種々の磁性薄膜について、微細構造と磁化機構との関連を研究することを目的とした。 (1)の電界放射電子銃については、高輝度、長寿命の割に比較的真空度についての要求度のゆるいW(100)/ZrO電界放射陰極の開発と複プリズムの製作を行なった。繊維構造をつWシ-トを特定方位に切り出して所望の単結晶チップを得る当研究室で開発した方法をもとに実験を行い、(100)面からの強い安定した電界放射ビ-ムを得るこに成功した。200KV電顕は購入した状態では5×10^<-6>Torrの真空度であったので、タ-ボ分子ポンプを付加し、ベ-クなしで2×10^<-7>Torrまで改善した。ベ-キングを行えば、10^<-8>Torr台に入る筈で、近く、これに前述の電界放射陰極を取付ける。 複プリズムの製作は予定通り進み、普通のLaB_6陰極を用いて、数10本の干渉縞は得られている。 (2)のデジタル画像処理プログラムもほぼ完成し、ホログラムとそれからの再生像を電計機でシミュレ-トすることができるようになった。これについてはすでに論文に発表した。 (3)の磁性薄膜の研究は時間が限られ、今後の継続課題として残された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Kawamata,H.U.Nissen,C.Beeli,F.Hulliger and H.R.Ott: "Strained orthogonal twining texture in the high-Tc superconductor Ba_2HoCu_3O_<7-x>" Z.Phy.BーCondensed Matter. 72. 345-352 (1988)
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[Publications] K.Yada,H.Masaoka,Y.Shoji and T.Tanji: "Studies of Refractory Carbides,Nitrides,and Borides as the Thermionic Emitters Electron Microscopy" J.Electron Microscopy Technique. 12. 252-261 (1989)
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[Publications] 丹司敬義,矢田慶治: "高分解能電子線ホログラフィ-のシミュレ-ション" 応用物理. 59. 18-26 (1990)
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[Publications] T.Tanji,J.Ito and K.Yada: "Contrast Simulation of High Resolution Electron Holography on Surface Structeres" Ultramicroscopy. (1990)