1990 Fiscal Year Annual Research Report
超高熱流束プラズマの実現によるダイバ-タ模擬実験研究
Project/Area Number |
01420044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高村 秀一 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023254)
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Keywords | 核融合 / 周辺プラズマ / ダイバ-タ / プラズマ壁相互作用 / プラズマ対向壁 / シ-ス / 高熱流 |
Research Abstract |
平成2年度の研究目標は、1.高熱流プラズマ源の確立、2.ダイバ-タ部のプラズマ対向壁表面に形成されるシ-スの電位構造の解明の二点にある。 プラズマ源については直接通電ジグザグ型LaB_6カソ-ドを用いて、電子密度〜10^<19>m^<-3>、電子温度〜6eVのプラズマを高繰り返し(5Hz)パルス(〜5ms)で得ることができた。これは熱流にして〜1MW/m^2に相当する。定常放電では現有電源のほぼ最高値60A、〜100Vの放電により、カロリ-法で0.1MW/m^2の熱流を確認できた。一方直径140mmの大口径ディスクLaB_6カソ-ドにおいては背後よりタングステンヒ-タ-(〜8kW)で加熱することにより、これもパルス運転で10^<19>m^<-3>の太いプラズマを得ることに成功している。定常放電実験はここ1カ月以内に行われる予定である。定常高熱流プラズマのパラメ-タ計測には新たに開発した高速掃引プロ-ブで行っているが、極めて有効である。 第2点のプラズマ対向壁表面におけるシ-ス形成に関しては、高温電子成分と低温電子成分の二成分電子プラズマ中でのシ-ス電圧について、材料からの2次電子放出を考慮して解析を行うと共に、高繰り返しトカマク装置を用いて実験と理論解析結果との比較を行った。2次電子放出係数γの比較的大きい金属と、γの小さな炭素を比べると、γが1を越える金属ではシ-ス電圧が著しく押えられることが理論解析よりわかった。これについては実験的にγの大きな金と炭素の両材料表面のシ-ス電圧を測定することで確かめることができた。プラズマ対向壁表面からの不純物発生を決めるスパッパリングにはイオンの衝突エネルギ-の大きさが重要であるが、それと等価なシ-ス電圧の制御はダイバ-タでの不純物制御に新たな展開をもたらすものとして注目している。
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[Publications] S.Masuzaki: "Compact and Powerful Plasma Generator" Japanese Journal of Applied Physics. 29. 2835-2836 (1990)
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[Publications] K.Shiraishi: "Sheath Formation in SOL Plasma with Energetic Electrons" Journal of Nuclear Materials.